私たちは、毎日の生活の中で、たくさんの「当たり前」に囲まれて生きています。
学校へ行く。
具合が悪くなったら病院へ行く。
病名がついたら薬を飲む。
テレビやニュースで言っていることを情報として受け取る。
働いて、お金を稼いで、便利なものを買う。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
学校も必要ですし、医療に救われる場面もたくさんあります。
私自身、看護師として医療現場にいたからこそ、救急医療や手術、検査、感染症治療など、西洋医学の力が必要な場面があることもよく分かっています。
ただ、大切なのは、
「今ある仕組みが、必ずしも100%“私たち一人ひとりが健康で幸せになること”だけを目的に作られているわけではない」
という視点を持つことです。
社会には、経済があります。
企業があります。
政治があります。
産業があります。
それぞれに、それぞれの都合があります。
だからこそ、
「言われたからそうする」ではなく、いったん自分の頭で考えてみる。
この力が、これからの時代にはますます大切になってくると思うのです。
今日はそのために、私たちを取り巻く5つの仕組みについて考えてみたいと思います。
1.学校教育——「正解を覚える力」と「考える力」は違う
学校教育について、ときどき、
「近代の学校制度は、産業社会に適応する人を育てる仕組みとして発展してきた」
という指摘があります。
少し極端な表現では、
「自分で考える人より、指示通りに動く労働者を育ててきた」
とも言われます。
これをそのまま事実として断定する必要はありません。
ただ、学校生活を思い出してみてください。
チャイムが鳴ったら席に着く。
決められた時間に決められたことをする。
先生から出された問題には「正解」がある。
正しい答えをたくさん書けた人ほど評価される。
こういう教育の中では、
「本当にそうなの?」
「違う考え方はないの?」
「私はどう思うの?」
と考えることより、
「正解は何ですか?」
を探す癖がつきやすくなります。
そして、この癖は大人になってからも残ります。
たとえば病院でも、
「先生が言ったから飲みます」
「検査値が高いと言われたから薬を飲みます」
「テレビで体にいいと言っていたので買いました」
となりやすい。
でも、本来は、
「なぜ、この数値が上がったんだろう?」
「この薬は何をしているんだろう?」
「飲み続けることで得られるメリットとデメリットは?」
「生活の中に改善できる原因はないの?」
というところまで考えていいのです。
医療者に反抗するという意味ではありません。
自分の体のことを、すべて他人任せにしないということです。
2.医療——「火災報知器を止めること」と「火を消すこと」は違う
ここが、私が特に知ってほしいところです。
現在の医療、とくに西洋医学は、
「病気を治さない仕組み」なのではなく、急性期の治療や命を救うことには非常に優れています。
心筋梗塞。
脳卒中。
重症感染症。
大けが。
手術が必要な病気。
こういうときには、現代医療の力は本当に大きい。
一方で、生活習慣や慢性的な炎症、代謝、自律神経、栄養状態などが複雑に絡んで起きている慢性症状については、
「症状や検査値をコントロールする治療」が中心になることが少なくありません。
ここは理解しておく必要があります。
たとえば、家の中で火事が起きたとします。
煙が出る。
火災報知器が鳴る。
そこで、
「うるさいから火災報知器の音を止めよう」
と電池を抜いたとします。
確かに音は止まります。
でも、
火は消えていません。
これが、症状を抑えることと原因を整えることの違いです。
もちろん薬が「火災報知器を止めるだけ」という意味ではありません。
血圧を下げる薬や脂質を下げる薬などには、脳卒中や心血管疾患のリスクを下げることが期待され、必要な人もいます。
問題は、
「薬を飲んで数値が正常になった=体そのものの問題がすべて解決した」
と思ってしまうことです。
たとえば血圧が高い。
では、
なぜ高くなっているのでしょう。
睡眠不足はないか。
ストレスは強くないか。
運動不足はないか。
体重や内臓脂肪はどうか。
塩分だけでなくカリウムやマグネシウムの状態はどうか。
血管の柔軟性はどうか。
喫煙はないか。
飲酒量はどうか。
腎臓やホルモンの問題はないか。
見るところはたくさんあります。
薬は必要に応じて使いながら、
「では、なぜこの状態になったのか?」
にも目を向ける。
私はここがとても大切だと思っています。
車の警告ランプがついたときに、
黒いテープを貼ってランプを見えなくしたら、
「直った!」
とは思いませんよね。
ところが体になると、
症状が消えた。
検査値が下がった。
それだけで安心してしまうことがあります。
だからこそ、
症状を見る医療と、症状が起きた背景を見る視点の両方が必要なのです。
3.メディア——「嘘か本当か」より、“どう切り取られているか”を見る
メディアについても、
「全部嘘だ」
と考える必要はありません。
ただし、テレビも新聞もWebメディアもSNSも、すべて、
限られた時間・スペースの中で情報を編集して伝えるもの
です。
そして民間メディアの多くには広告収入があります。
SNSなら、
「長く見てもらえる内容」
の方が拡散されやすい。
人間は、
「今日も世界は平和でした」
という情報より、
「危険です」
「知らないと損します」
「大変なことになります」
という情報に反応します。
これは脳の性質でもあります。
だから、情報を発信する側にも、
不安・怒り・驚きに反応してもらうほど注目を集めやすい
という構造が生まれます。
たとえば、
「○○を食べると病気になる!」
というタイトルを見たとします。
怖いですよね。
でも本文まで読むと、
マウスの実験だった。
人間が通常摂る量とは桁違いだった。
対象人数が少なかった。
ということもあります。
逆に、
「○○を食べれば健康になる!」
という情報も同じです。
だから私は、
情報を見た瞬間に信じるのではなく、
「その情報は、どこから来たもの?」
「何を根拠に言っている?」
「誰にでも当てはまる?」
「反対側の情報はない?」
と、一度立ち止まることが大切だと思っています。
4.資本主義——「必要だから売れる」とは限らない
資本主義そのものは、悪い仕組みではありません。
素晴らしい商品やサービスが生まれたのも、企業が競争し、利益を得られる仕組みがあったからです。
ただし、
利益が出るものほど市場に残りやすい
という特徴があります。
ここは健康を考えるうえでも非常に重要です。
たとえば、
「病気にならない人を増やすこと」
と、
病気になった人へ商品やサービスを販売すること」
では、
後者の方が売上として数字にしやすい場合があります。
これは誰かが裏で悪巧みをしているという話ではありません。
経済の仕組みとして、継続的に購入される商品やサービスほど事業として成立しやすい
ということです。
これは医療だけではありません。
食品。
化粧品。
ダイエット。
美容。
健康食品。
いろいろなところにあります。
たとえば、
「これを飲めば痩せる」
「これを塗れば若返る」
「これを買えば健康になる」
と言われると、
つい「何を足そう?」と考えてしまいます。
でも、本当はその前に、
睡眠が4時間しかない。
甘いものがやめられない。
ほとんど歩かない。
いつも緊張している。
便秘している。
食事から必要な栄養が取れていない。
という状態なら、
まずそこを見る必要があります。
穴の開いたバケツに、
一生懸命水を注いでいるようなものです。
高価なものを足す前に、
まず穴を塞ぐ。
私は健康づくりでも、ここがとても大事だと思っています。
5.「常識」——誰が決めたのか、一度考えてみる
そして最後が、
「普通はこうするもの」
という常識です。
私たちは思っている以上に、この言葉に縛られています。
朝はこの食品を食べるもの。
年齢を重ねたら不調が出るもの。
更年期だから仕方ない。
年を取ったら薬が増えるのは普通。
体調が悪ければ薬で抑える。
体臭があれば香りで消す。
汚れたら強い洗剤で落とす。
菌はできるだけ殺す。
でも、
それは本当に体の仕組みに合っているのでしょうか。
「常識」が作られる背景には、
生活習慣だけでなく、
広告やマーケティング、産業、時代背景もあります。
昔は存在しなかった商品が、
いつの間にか
「毎日使うのが当たり前」
になっていることだってあります。
企業が悪いのではありません。
商品を売るのが企業の仕事ですから、それは当然です。
だからこそ、
買う側が考える必要があるのです。
「これ、本当に必要?」
「使わなかったらどうなる?」
「そもそも、なぜ必要だと思っているんだろう?」
この問いを持つだけでも、見える世界はかなり変わります。
大切なのは「全部疑うこと」ではありません
こういう話をすると、
「じゃあ学校も病院もテレビも企業も信用するなということですか?」
と思われるかもしれません。
そうではありません。
全部信じるのも危険。
全部疑うのも危険です。
大切なのは、
一段高いところから見ること。
私はよく、
「森の中にいると、森全体は見えない」
と思っています。
一本一本の木だけ見ていると、
自分が森のどこにいるのか分からなくなる。
少し高いところまで登ると、
「あ、こっちに川がある」
「この先は行き止まりだ」
「こっちから回った方がいい」
と見えるようになります。
健康も同じです。
血圧だけ。
コレステロールだけ。
便秘だけ。
頭痛だけ。
更年期だけ。
一つ一つの症状だけを追いかけていると、
体全体で何が起きているのかが見えなくなることがあります。
だから私は、
「もっと俯瞰して体を見る」
ということをずっと伝えてきました。
だから「土台作り.™」なのです
土台作り.™で考えるのは、
「この症状には何を飲めばいい?」
だけではありません。
- なぜこの状態になったのか。
- 体に負担をかけているものはないか。
- 必要な材料は足りているか。
- 食べたものを消化・吸収できているか。
- 血液やリンパはきちんと巡っているか。
- 不要なものを回収し、排泄できているか。
- 自律神経は休める状態になっているか。
- 心に抱えているストレスや緊張はないか。
- 生活環境はどうか。
そこまで含めて見ていきます。
家を建てるときと同じです。
壁紙だけきれいにしても、
基礎が傾いていたら、またどこかにひびが入ります。
ひびが入るたびに、
壁紙を張り替える。
またひびが入る。
また張り替える。
これを繰り返すより、
「そもそも、基礎は大丈夫?」
と見る。
これが私の考える土台作り.™です。
そして私は、
これからの時代に必要なのは、
「何を信じればいいか教えてくれる人」
ではなく、
自分で考え、自分で選択できる人になること
だと思っています。
医療も利用する。
薬も必要なら使う。
サプリメントも必要なら使う。
便利な商品も利用する。
でも、
言われたままではなく、
「私はなぜこれを選ぶのか」
を自分で理解して選択する。
世の中の仕組みを少し高いところから眺められるようになると、
医療の矛盾にも、
健康情報の矛盾にも、
「当たり前」の中にある矛盾にも、
少しずつ気づけるようになります。
そして、
自分と家族の健康を、
誰かに丸ごと預けるのではなく、
自分たちの手に取り戻していく。
そのために必要な知識と視点を身につけること。
それが、私が土台作り.™を伝えている大きな理由の一つです。
「ヨガ&セルフケアスタジオ スーリヤ」と「心と体のセルフケアスクール スーリヤ」を運営しながら、必要なモノを入れること、不必要なモノを入れないこと・解毒すること、身心の巡りを良くすること、この3つを『土台作り.』とし、その必要性を発信。これらを整えることで本来のその人の状態になる、という考えを根底に、対症療法だけに頼らず、本当の意味での健康を手に入れる為の、心と体の土台作り.の大切さを学ぶ【土台作り.クラス】を開催。(土台作り.クラスは、東洋医学・西洋医学・栄養学・呼吸法・潜在意識活用などトータルで学ぶことが可能)
その他、ロシアの波動測定機メタトロンと使った健康相談、セルフケアコーチング、五行音叉を使ったオンサセラピーなどを行って、多くの方の【心と体の土台作り.】をサポートしている。
赤十字病院・元看護師。
