最近「ソイプロテインは体に悪い」といった声を耳にする機会が増えています。
その原因としてよく上げられるのが、

1.イソフラボンの過剰摂取によるホルモン異常の懸念

2.大豆に含まれる「生物毒」の影響

一見、もっともらしく聞こえるこれらの情報。
しかし、実際は、科学的に見ても「必ずしも気にする必要はない」ということが明らかになっています。

1.イソフラボンの摂取量:ほんとうに危険?

イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールの一種で、「植物性エストロゲン」とも呼ばれます。

一部では「女性ホルモンに影響するから危ない」と言われますが、70~75mg/1日以上を長期間摂取し続けない限り、安全であることが科学的に確認されています(厚生務省基準)。

【参考比較】

食品・製品 量(gまたは1食分) イソフラボン量(mg)
納豆(1パック) 約50g 約35〜40mg
豆腐(1/2丁) 約150g 約25〜30mg
無調整豆乳(コップ1杯) 約200ml 約40mg
おから 約100g 約10mg
きなこ(大さじ1) 約6g 約15mg
大豆(水煮) 約100g 約40〜50mg
ソイプロテイン(一般的) 1食分 約30~35g 約5〜17mg

これらからも、1日1~2杯程度のソイプロテインの摂取で健康害が出る可能性はほぼ無いと言えます。

また、ソイプロテインに含まれるイソフラボンは「遊離型」といって、体内での作用が精粋に制御される形態で、常識的な量ではホルモンバランスにも影響しにくいとされています。

イソフラボンは悪者ではない。ただし「過剰摂取」には注意が必要

 

▶なぜ悪者扱いされがちなのか?

  1. 植物性エストロゲン=女性ホルモンに似ている→ホルモン異常になるのでは?という誤解
    • 確かにイソフラボンは「エストロゲン様作用」を持ちますが、本物のエストロゲンの100分の1〜1000分の1程度の作用です。
    • 体内で足りないときは補う方向に、過剰なときは抑える「調整役」のように働くという研究も。
  2. 「男性ホルモンが減る」「乳がんリスクが上がる」など一部の研究がセンセーショナルに拡散
    • これらの研究は、ほとんどがマウスや大量摂取時のサプリに関するもの。
    • 通常の食事やプロテイン1杯では、問題になるレベルではありません。
  3. ソイプロテイン=加工食品=なんとなく不健康というイメージ
    • 実際には、消化吸収が穏やかで、ホエイよりも長くアミノ酸を供給するというメリットもあり、特に女性にとっては利点が大きい。

▶信頼できる情報として

  • 厚生労働省や消費者庁も、日常的な摂取で問題はないと明言しています
    (※サプリ等での摂りすぎに注意とは書かれている)。
  • 日本人はもともと大豆食が多い民族であり、伝統的な食生活で健康リスクが増えるなら、もっと前から問題になっているはずです。そして、上の表をご覧いただいても、明らかなように、ソイプロテインに含まれるイソフラボンの量は決して多い量ではありません

 

2.生物毒の影響は大丈夫?

大豆に含まれる「生物毒」と呼ばれる主な成分

成分名 特徴 備考
トリプシンインヒビター タンパク質分解酵素を阻害 加熱で不活化(煮る、焼く、蒸す)
レクチン(大豆レクチン) 腸壁への刺激 加熱・発酵で無害化
サポニン 苦味成分/細胞膜を壊す性質あり 通常量では問題なし。抗酸化作用もあり
フィチン酸 ミネラルの吸収を阻害 発酵や浸水で減少/抗酸化作用も強い


ポイント1:自然界の植物には「毒」があるのが普通

  • 野菜・果物・穀物・豆類は身を守るために、微量な「毒性成分」=抗栄養素を持っている
  • 例えば:

ああジャガイモ:ソラニン(皮や芽に)
ああトマト:トマチン(青い実に)
ああアーモンド:アミグダリン(苦味種に)

つまり、大豆だけが危険というのは 科学的にはナンセンス

ポイント2:私たちの調理法は、数千年かけて毒を無害化してきた

  • 加熱、発酵、浸水、発芽などは、生物毒を抑える知恵。
  • 日本の伝統食(味噌、納豆、豆腐、湯葉、煮豆…)はすべて「毒の影響を受けにくくした加工食品」。
  • しかも、毒成分も微量なら体に良い刺激となることも(ホルミシス効果)。


▶生物毒の観点からのまとめ

  • 「生物毒=体に悪い=避けるべき」は思考が単純化しすぎ
  • むしろ、大豆は:

ああ良質な植物性タンパク源
ああフィトケミカル豊富
ああ女性ホルモン様作用で更年期にも◎

なので、バランスのとれた量を、加熱や発酵された形で摂るなら、まったく問題なし。むしろ推奨。


▶ソイプロテインとしてのはどう考えるのか

プロテインとして形成される段階で、これらの成分は炭素フィルター、素分解、溶解探定などの過程で減量または解滅しています。

実際、表示されている成分から評価してみると、
たとえば、次のような成分表示の35gのプロテインの場合:

・タンパク質:20g
・脂質:0.4~2.4g
・炭水化物:8.7g
・カルシウム:320mg

脂質が極めて少ないことからも、実際には大豆の脂質分を脱脂した「脱脂大豆」から製造されている可能性が高いと言えます。

表示上、「脱脂」と明記されていなくても、99%以上のソイプロテインは脱脂された大豆たんぱくを使用しているので、生物毒に関しては心配ないでOKです。

 

まとめ:ソイプロテインは体作りに最適

  • イソフラボンの量も問題なく
  • 生物毒も実際はケアされており
  • 脂質が少なく体にも軽い
  • 劣質な加工をさければ、かなり高水準なタンパク源

日々の食生活でたんぱく質を無理なく簡単に補い、しかも心も体も精神もスッキリさせるソイプロテイン。

「体に悪い」どころか、今の時代を生き抜くための強い味方と言えます!