もくじ

不安と腸内環境の関係

多くの人にとっては、不安は一般的でよくあることで、不慣れなこと、将来起こるかもしれない心配なこと、対する自然な反応だったります。

ただ、激しい、過剰、長く続く、不安や心配や恐怖といったモノは、やはり問題であり、その原因が、仕事や日常生活の中での人間関係であったりすると、継続的にそれを感じている状態が長く続くことになり、パニック発作を起こしたり、6カ月以上続くと不安は、不安神経症と言われてしまうことに繋がってしまいます。

では、環境だけが悪いのかと言うと、そうばかりではないですし、環境を変えることは、簡単なことではなかったりもします。

そこで、不安の症状のメカニズムを考えて、今すぐにでも、できることを考えてみたいと思います。

 

不安の症状のメカニズム

腸と脳の関係

●腸脳相関

●腸の健康が重要

腸は気分や全ての身体機能に影響しています。

腸内細菌のバランスが崩れた時に、感情が乱れやすくなる、不安が出やすくなるという研究結果は出ています。腸内細菌のバランスを崩さないことがとても重要という事になります。

腸と脳がどのようにつながっているのか

 

腸と脳の繋がりは2つ

●脳幹部から神経がダイレクトに走っていて、腸の運動やセロトニンなどの物質をコントロールしている迷走神経

●また、その逆、腸から脳へ指令が行く、もう一つの伝達経路として、腸内細菌が作り出す化学物質、神経伝達物質などによって脳と腸とがコミュニケーションをしているという状態(腸脳相関)

この腸脳相関のバランスが崩れた時に、不安、うつ病、強迫性の障害、注意欠陥障害、自閉症、パーキンソン病、認知症、アツルハイマー病とか神経の変性疾患も腸脳相関が乱れた状態になっているという研究も発表されていますし、実際に腸内環境が乱れると気分障害が起こるという事が示されているということと、逆に、不安とか過度な心配をすることによって、腸内環境が変わるということも示されているようです。

実際に2017年の研究では、腸内細菌を変えることによって不安とかうつ病の治療ができるという研究結果も示されているようですし、2019年に出された、そのような研究をまとめたレビューの結果は、プロバイオティックスという腸の善玉菌を摂ったり、腸の環境を良くする食事を摂る、腸内細菌層を改善するようなことをすることによって、不安症状が改善すると示されているようです。

腸の中の環境と気分とか不安の問題がどうして関係するのか

一つのメカニズムとして考えられているのは、神経伝達物質

特に、グルタミン酸ギャバの不均衡が影響をしているのではないかと言われています。
神経伝達物質というものは、腸の中で作られるモノで、直接、脳に働きかけます。
興奮する刺激、ちょっと抑える刺激、このバランスによって成り立っているるのです。

グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質
ギャバは、抑制系の神経伝達物質

興奮性のグルタミン酸は、文字通り、脳を興奮させる作用があります。
実際に脳を興奮させるグルタミン酸は、脳の中にある神経経路、不安などを誘発するところを刺激するNMDAという受容体を刺激することによって不安を誘発させるという事が分かっています。

それに対してギャバは抑制するという神経伝達物質なので、不安をを和らげる時にギャバを増加させるという事が一つの経路となっています。
ギャバを増やす作用のある薬や、ギャバ入りのサプリメントなどが使われるのは、それを目的としてのことでしょう。

 

対策としては

神経伝達物質のアンバランスを引き起こすことを避けることが大事。

グルタミン酸は、味の素の成分です。食品お裏側に『アミノ酸等』と表示されて、書いていあるモノです。

そういった加工食品をたくさん撮っている方は、必然的にグルタミン酸が増えてしまうので、不安という感情を引き起こすメカニズムが働きやすいのです。(もちろん、その逆で、興奮した状態を維持してしまうというアンバランスもあります)

ギャバは、腸内細菌が作っている抑制系の神経伝達物質なので、腸内細菌のバランスが崩れることで基本的にはギャバが落ち込んでいき、いろんな症状に繋がります。

基本的には、何を食べているのか、どんな食生活をしているのか、という事が神経伝達物質の増減に大きくかかわります。それと同時に精製されて砂糖とか、砂糖の多い可能食品を食べる人は、潜在的に不安を起こしやすいことが分かっています。

血糖値のアップダウンという事が不安に繋がる、情緒不安定につながるということは、1966年に既に発表されている事ですし、砂糖を摂って血糖値が上下することによって、不安、不眠、うつ病、震え、心臓の鼓動、めまい、物忘れ、というモノが出やすくなるとも言われていいます。

そのような人達に砂糖を控えて、タンパク質をしっかり摂って、カフェインを含まない食事を摂ると血糖値が安定して不安症状が軽減していくと報告されています。が、その食事をとって、改善がみられても、また、元の食事に戻してしまうと、不安症状も再び起こったということも報告されています。

 

まとめ

心の状態にもはやり、腸の状態は、大きく関係してきます。アンバランスだから、それを正す為に、不足しているモノを外から入れれば良いという事ではなく、腸で作れるモノは自分で作れる環境を多すぎて困るモノは、入れない工夫を
体も心も、何もしなくても完璧に作動するようにできていますので、それを乱さないことに努力していくことが一番良いのではないでしょうか。

食物繊維、発酵食品、乳酸菌・ビフィズス菌、タンパク質しっかり摂り、精製された砂糖は避ける、ストレスを避ける、ストレス回避の為に視野・視座・視点を変えていく、食品添加物に注意する、ここは、必須のことだと思います。

今回は、不安という感情にフォーカスして書かせて頂いていますが、反対に興奮状態を持続してしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。緊張と弛緩・・・結局は、陰陽であり、バランスです。

どちらかが少ないから、、、どちらかが多いから、、、という対処ではなく、そこに対して、なぜ?という視点と、自分を振り返る習慣はとても大切だと思います。