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しあわせホルモン セロトニン

〝しあわせホルモン〞という言葉を聞いたことはありませんか?
体の中でつくられ、心身共にハッピーな状態に保つ働きをする物質として話題。中でも「セロトニン」は現代人の心の安定に大きな役割を果たします。

 

ホルモンとは
ビタミン、ミネラル、酵素などと同じく体のさまざまな働きを調整する「生理活性物質」のひとつ。体内でつくられ、特定の器官や組織に働きかけて体の調子を常に安定させ整えます。

 

セレトニンとは
主に血液中の血小板の中や腸、脳神経などに存在するホルモンの一種。血管・筋肉の収縮や腸の働きを調節するほか、脳では神経細胞の情報伝達を促す神経伝達物質として、心身の状態に深く関与しています。

なぜ、〝しあわせホルモン〞と呼ばれるの?

脳内で分泌されたセロトニンは、さまざまな脳機能に働きかけ、体と心の状態を安定させポジティブにします。
セロトニンが不足すると心身のバランスは乱れ、ネガティブな方向に落ち込んでいくため、健康維持に大切な救世主といってもいいでしょう。

痛みをコントロールする
痛感覚経路と呼ばれる、体が痛みの情報を脳に伝える経路をある程度コントロール。痛いという感覚をゆるやかにして、一種の鎮痛剤のような役目を果たすといわれます。

姿勢をよい状態に保つ
姿勢を保つ筋肉(姿勢筋、抗重力筋など)に働きかけ、緊張させることで姿勢をピンとのばし、顔つきは締まってハリのある表情を保つなど、見た目にもプラスの影響。

自律神経のバランスを整える
交感神経と副交感神経のバランスを整えます。ストレスなどによって交感神経の緊張が高まった場合に過剰な興奮を抑え、血圧や体温などの調整を行います。

快適に目覚めさせる
セロトニンは睡眠中は分泌されず、太陽が昇る朝に活性化。大脳に働きかけて覚醒状態にします。興奮しすぎでも、ボーッとした状態でもない最適な覚醒状態をキープするのに貢献。

心のバランスを整える
心の乱れを抑えてネガティブな気分を解消。心のバランスを整え、安定した心理状態に。不安やパニック、強迫観念なども抑えて気分を上向きにします。

心がハッピーなら体の健康も上向きに!

心身のバランスを整えて安定させるセロトニンは、ストレスの多い現代社会では欠かせない物質。しかし、過剰なストレスや脳が疲れた状態が続くと、セロトニンは減少するといわれ、セロトニン不足の状態が続くと、ストレスを改善できないだけでなく、悪循環に陥って、うつ病などにつながることもあります。
私たちが日々をハッピーに過ごすためには、できるだけストレスをためず、何事も前向きに取り組むことが大事。あわせてセロトニンを増やす工夫を知っておくといいでしょう。

 

セロトニンのもととなるのはたんぱく質

セロトニンを体内で増やす第一の鍵は、「たんぱく質」。セロトニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸のひとつ「トリプトファン」から合成されます。また、脳神経の情報伝達を行う際に、信号をキャッチする受容体もたんぱく質でできているので、セロトニンが働くうえでも大切です。
トリプトファンはビタミンやミネラルのサポートを受けてセロトニンに合成されるので、毎日の食事で十分な量のたんぱく質をとるとともに、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

 

太陽の恵みでセロトニンが増える

セロトニンを増やす第二の鍵は、「太陽の光」です。太陽の光を浴びるとセロトニンは活性化します。朝、カーテンを開けて部屋の中に光を取り込み、セロトニンの働きでしっかり目覚めて行動開始! 積極的に外に出ていくことが、ハッピーな1日へのきっかけとなります。

 

呼吸や歩行のリズム運動もおすすめ

そして、第三の鍵が「リズム運動」。一定のリズムで繰り返す運動のことで、呼吸や歩行などが挙げられます。意識を集中して行う呼吸法やウォーキングのほか、ヨガ、太極拳などもセロトニンを活性化するといわれています。
毎日の睡眠によって一旦リセットされ、ためることができないといわれるセロトニン。普段の食生活を含め、暮らし方のちょっとした意識改革をして、しあわせホルモンをたくさん生み出しましょう。

 

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