今回は、免疫の、重層防御の種類と働き、その中でも重要な粘膜免疫と腸管免疫についてご説明します。

 

もくじ

重層防御について

お城をイメージしてみましょう。

お城の高いところにいるお姫様を守る為に、城壁があり、その外に兵士がたくさんいます。城壁の中にも兵士がたくさんいて、お城の中にも、各階にたくさんいて、姫のいる部屋にも、姫の側近としても、ちゃんと常に置かれているかと思います。
ある兵士は、敵の写真を残し、この敵はどんな弱点があり、どこが強みなのかを分析する担当かも知れません。

それらの兵士は、おのおの配置が決まっていて、そこでの役割が決まっています。でも、みんなで、連絡を取り合って、今、敵部隊は、今、どこにいて、こちらはどんな状態で戦えているのかを司令官が把握して、それぞれの配置の兵士たちに指令を出していると思います。それそれが連携してシステムで戦っています。

そのお城のお姫様を守る仕組みと、私たちの免疫は同じなのです。

私たちの免疫をつかさどってくれているのは、血液の中の白血球だと言われますが、もっとシステム的に観てみましょう。

白血球には、顆粒球と、リンパ球と、マクロファージというモノがあり、比較的大きな敵に対応するのは、顆粒球。小さい敵に対応するのは、リンパ球。ざっくり説明するとそのような感じです。

リンパ球の中にも、司令官の役割のモノから、体育会系の戦い方をするモノから、知的な戦い方をするモノから、敵の似顔絵を描いて次に備える役割のモノから、発熱の必要を脳に連絡するモノから、戦い終了の合図をするモノから、いろんな形の戦い方をするいろいろな白血球が存在します。

熱を出すように、指令を受けているのに、熱を出せないと体が認識をすると、体は別の方法を考えて防御をしようとします。本来の戦い方ではない方法をパニックを起こして、作動させてしまう。。。これが、サイトカインストーム(免疫の暴走)と言われる体の現象だと言われています(医源病的な視点からのとてもざっくりな説明です)

ここは、中に入られてしまってから、、、のシステムです。

まず、敵が入ってくる場所は、城壁・・・皮膚・粘膜
ですから、まずは、ここを強化することが重要です。

敵の写真を撮って、分析して次に備えること、よりも、城壁の守りをしっかりすれば、入り込まれないということは、お城をイメージしていただければ、理解して頂きやすいのではないでしょうか。

この敵の写真をとり分析するという役割を、私たちの免疫の役割の中で言うと、抗体を作る(ワクチン含む)と言うことになります。

敵が入ってくる一番の砦は皮膚・粘膜。

皮膚については、角質層という部分で、しっかりと体の内側が、そにむき出しにならないよに守ってくれています。ひっかいて、傷をつけたり、ただれて、内側がむき出しになっている状態は、その部分の守りはない、という状態になるのです。まず、皮膚を丈夫にするという事は、免疫力強化にとても重要なことになります。

また、、その皮膚を守ってくれているものが、皮脂(弱酸性)と常在菌で作られる皮脂膜です。
この皮脂膜もとても更に重要で、皮脂がないと強い皮脂膜は作れず、常在菌がいなくても皮脂膜は作れません。。。その点から、手洗い・除菌という行為がどんな意味をなすのか、ちょっと考えてみましょう。

※皮膚表面が弱酸性であることは、一つの免疫システム。弱アルカリ性になってしまうと免疫システムは低下します。

 

粘膜免疫

私たちの体を観てみると、

外側の皮膚
内側の粘膜

という形になっています。

ちょうど、ちくわをイメージしていただけるとそのまま、わかりやすいかと思います。
外側の皮膚は少し焦げたちくわの外側。私たちの内側の粘膜はちくわの内側の白い部分。

粘膜と皮膚は同じだけの表面積ではなく、粘膜には、柔毛というモノが出ていているので、表面積は皮膚の数百倍との言われます。

口も、喉も、食道も、胃も、腸も粘膜でし、呼吸器官の一部も粘膜になっています。
その粘膜に広がっている免疫細胞が一番多いという事が分かっています。全身の中で、粘膜に最も多く存在しているということです。もちろん、そこが、体内への入り口、ようは、お城の砦なので、当然と言ったら当然ですね!

粘膜がどのように戦ってくれるのかというと、例えば、喉。

喉の粘膜は柔毛という毛がたくさん生えていて、それが異物をキャッチして外に吐き出す働きをしてくれています。その異物をキャッチしやすいようにするために、粘液というモノがそこには存在しています。乾燥対策は感染対策になるという言葉をよく耳にされると思いますが、柔毛が乾燥してしまったら、異物をキャッチして外に出す力が弱くなってしまうからなのです。カリカリだったら、キャッチしにくいですね。

唾液にしても、胃酸にしても、免疫システムの一つです。
いかに、質の良い唾液がたくさん出ているのか、出せているのか
胃酸にして、強酸性で、強力な殺菌作用があるのです。ようは、外からの敵を溶かしてくれている訳です。胃酸が十分に出ない、または、強酸性でないという事は、そこでも、免疫システムがしっかりと機能していないという事になります。

微生物が体内にいることもとても重要です。

他の菌と競合することで、結果的に人間の体の感染を防いでくれています。菌がウイルスを食べてくれることで、結果、ウイスル感染を防いでくれているということも、一つの免疫システムです。

これらのことから考えても、菌の良い悪いはなく、全てバランス良く存在してくれているから正常に免疫システムが成り立つのだという事がイメージできます。

属に言われる、良い菌ばかりを入れるのではなく、悪い菌と言われるモノも必要だということです。

この粘膜免疫の中でももっとも重要だと言われるモノが、腸管免疫です。

 

腸管免疫

腸内細菌の重要性の発信は、よく見かけますが、腸管免疫と腸内細菌は別モノです。

腸の柔毛にも粘液というモノがあります。その粘液も第一防御になっています。粘液が十分出ていなければ、腸から敵が入りやすくなります。

また、もし、そこを突破されてしまうと、合図を出し、IgAという免疫物質を出してくれるので、そのまま敵を包み込み外に出してくれます。

腸の表面と、少し入ったところで、一番重要な免疫システムである戦いが常に繰り広げられています。

その意味でも、腸が荒れていない、ということが免疫機能を維持・強化する為には必須のこととなります。
が、現代人は非常に腸が荒れているのです。

理由は、

良くない食べ物を食べている、腸内細菌が少ない・弱い・偏っている
腸を弱らせる原因は、砂糖、添加物、酸化油、グルテン、低たんぱく など
菌が少ないのは、抗生物質や、殺菌剤や農薬、特定の菌(善玉菌)の摂りすぎ

 

上記のことが理由で腸が荒れている人がほとんどなのです。

良いと言われる菌ばかり、発酵食品ばかり摂っている事も良くことではなく、良い菌、悪い菌などないと、知ることが大切で、バランスが大事なのです。

腸の状態をそもそもの良い状態に保つ・・・これも免疫を下げない為にもとても重要なことになります。

 

まとめ

とても、簡単に説明をしてしまっておりますが、皮膚・粘膜はお城の城壁。
お城の姫(体の主である私たち)をいかに守るのか、ここが私たちの免疫システム。

これをしっかりとイメージしていただけると、難しいような免疫システムも簡単にイメージでき、何が一番大事なのか、どこを強化しておく必要があるのかを、腑に落としていただけるのではないかと思います。

城壁ですよ。城壁・・・
私たちに体で例えると、皮膚・粘膜です。

皮膚をどのような状態に保つことが大事なのか、粘膜をどのような状態に保つことが大事なのか。
今一度、しっかりご自身で考えてみましょう。

 

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