亜鉛がブームのようですが、安易に亜鉛を単体で摂るのは危険!?
最近、
「免疫には亜鉛」
「髪や肌には亜鉛」
「味覚が鈍いなら亜鉛」
「疲れやすい人は亜鉛不足かも」
そんな情報を、よく見かけるようになりました。
確かに亜鉛は、私たちの体に欠かせない大切なミネラルです。
だからといって、
とりあえず亜鉛のサプリメントを飲んでおけばよい
という話ではありません。
むしろ私は、亜鉛だけが単体で一人歩きしている今の状況に、少し危うさを感じています。
亜鉛は体にとって大切な栄養素
亜鉛は、細胞の成長や修復、タンパク質やDNAの合成、皮膚や粘膜の維持、味覚、免疫機能などに関わる必須ミネラルです。体内でつくることができないため、食事から摂る必要があります。
不足すると、
- 味を感じにくい
- 食欲が落ちる
- 皮膚炎が起こる
- 傷が治りにくい
- 抜け毛が増える
- 免疫機能が低下する
といった症状が現れることがあります。
ここだけを見ると、
「やっぱり亜鉛を飲んだほうがよいのでは?」
と思うかもしれません。
でも、大切なのは、その症状が本当に亜鉛不足によって起きているのかということです。
その症状、本当に亜鉛不足でしょうか?
たとえば、抜け毛が増えたとします。
抜け毛は亜鉛不足でも起こる可能性がありますが、ほかにも、
- タンパク質不足
- 鉄不足
- 甲状腺機能の問題
- ホルモンバランスの変化
- 睡眠不足
- 強いストレス
- 過度な食事制限
- 頭皮の炎症
など、さまざまな原因が考えられます。
肌荒れや口内炎、疲れやすさ、味覚の変化も同じです。
症状だけを見て、
「これは亜鉛不足です」
と判断することはできません。
亜鉛欠乏症の診断には、症状だけでなく血清亜鉛値などの検査が用いられます。とはいえ、血清亜鉛値も食事や採血時間、炎症状態などの影響を受けるため、検査値一つだけで単純に判断できるものではありません。
つまり、
症状だけで決めつけるのも危険。
数値一つだけで決めつけるのも危険。
体全体を見ながら、総合的に考える必要があるのです。
亜鉛を単体で摂り続けると、銅不足を招くことがある
亜鉛の単体摂取で、特に注意したいのが銅とのバランスです。
亜鉛を高用量で長期間摂り続けると、腸での銅の吸収が妨げられ、銅欠乏を起こす可能性があります。
銅が不足すると、
- 貧血
- 白血球の減少
- 疲れやすさ
- 免疫機能の低下
- 手足のしびれ
- 歩きにくさなどの神経症状
につながることがあります。
健康のために亜鉛を飲んでいたはずなのに、その結果、別のミネラル不足をつくってしまう。
これは決して、本当の意味で体を整えているとはいえません。
亜鉛は、たくさん摂れば摂るほど働くものではありません。
不足していれば問題ですが、過剰になっても問題なのです。
胃の不快感や薬との相互作用にも注意
亜鉛サプリメントは、人によっては、
- 吐き気
- 胃のむかつき
- 腹痛
- 嘔吐
- 食欲不振
- 頭痛
などを起こすことがあります。特に空腹時に摂ると、胃腸症状が出やすい人もいます。
また、一部の抗菌薬や関節リウマチの治療に使われるペニシラミンなどとは、相互作用する可能性があります。
サプリメントは食品として販売されていますが、
体に作用する以上、誰がどのように摂っても安全というわけではありません。
薬を飲んでいる人、持病のある人、妊娠中や授乳中の人などは、特に自己判断で高用量を続けないことが大切です。
単体サプリを摂るなら、目的と根拠が必要
私は、亜鉛の単体サプリメントをすべて否定しているわけではありません。
血液検査や症状、食事内容、病気や服薬状況などから、明らかに亜鉛不足が疑われる場合には、医師などの管理のもとで一定期間補う意味があります。
ただし、その場合にも必要なのは、
- なぜ不足したのか
- どのくらいの量が必要なのか
- いつまで摂るのか
- 改善したかをどう確認するのか
- 銅など、ほかの栄養素とのバランスはどうか
という視点です。
「亜鉛が体によいらしいから」
「爪に白い点があるから」
「味覚が鈍いような気がするから」
という理由だけで、長期間飲み続けるものではありません。
少し学んだだけで、人に単体サプリを勧める危うさ
分子栄養学を学ぶと、体の症状と栄養素の関係が見えてきます。
これは、とても興味深く、役に立つ学びです。
でも、そこで陥りやすいのが、
「この症状には亜鉛」
「この数値には鉄」
「疲労にはビタミンB群」
というように、一つの症状と一つの栄養素を、すぐに結びつけてしまうことです。
体は、そのように単純にはできていません。
亜鉛一つをとっても、
- 食事から十分に摂れているか
- 胃酸や消化液が出ているか
- 腸で吸収できているか
- 慢性炎症によって代謝が変化していないか
- 下痢や多量の発汗で失われていないか
- ほかのミネラルとのバランスはどうか
まで考える必要があります。
単なるセラピストや、少し栄養学を学んだだけの人が、検査や病態を確認せずに単体サプリを勧めることには、慎重であるべきだと私は思います。
知識が少し増えたときほど、
分かったつもりにならないこと
が大切なのではないでしょうか。
亜鉛が不足する人は、亜鉛だけが不足しているとは限らない
ここが、とても重要です。
食事量が少ない人。
無理なダイエットをしている人。
肉や魚をほとんど食べない人。
胃腸が弱く、下痢を繰り返している人。
偏食が強い人。
強いストレスが続いている人。
こうした背景があって亜鉛が不足しているとすれば、亜鉛だけではなく、
- タンパク質
- 鉄
- 銅
- マグネシウム
- ビタミンB群
- 脂質
- エネルギーそのもの
も不足している可能性があります。
それなのに、亜鉛だけを入れても、体全体が整うとは限りません。
体は、一つの栄養素だけで動いているわけではないからです。
足す前に、まず土台を見る
不調があると、私たちはすぐに、
「何を飲めばよいですか?」
「何を足せばよいですか?」
と考えがちです。
しかし、本当に必要なのは、
- 毎日の食事が整っているか
- 必要な量を食べられているか
- 消化・吸収できているか
- しっかり眠れているか
- 血糖が乱れていないか
- 腸内環境はどうか
- 慢性炎症が起きていないか
- ストレスで消耗していないか
- 体を動かし、巡らせているか
という土台を見ることです。
栄養素は、単体で働いているのではありません。
互いに助け合い、影響し合いながら、体の中で働いています。
だからこそ、
一つ足せば解決するという考え方ではなく、体全体のバランスを整える。
これが、土台作り.™︎です。
亜鉛が悪いわけではありません。
サプリメントが悪いわけでもありません。
問題は、体の状態を見ずに、流行している栄養素だけを安易に足すことです。
何かを足す前に、
「私は、本当に食べられている?」
「消化・吸収できている?」
「眠れている?」
「巡っている?」
「心と体は、回復できる状態になっている?」
一度、体全体を見直してみてください。
あなたの不調は、本当に亜鉛一つで解決するものでしょうか。
それとも、もっと前に整えるべき土台があるのでしょうか。
ご自身の土台が、今どのくらい整っているのかを確認したい方は、

「土台整い度チェック」
を受けてみてください。
今の不調に、何かを足す前に
まずは、ご自身の体の土台を知るところから始めてみてくださいね。
「ヨガ&セルフケアスタジオ スーリヤ」と「心と体のセルフケアスクール スーリヤ」を運営しながら、必要なモノを入れること、不必要なモノを入れないこと・解毒すること、身心の巡りを良くすること、この3つを『土台作り.』とし、その必要性を発信。これらを整えることで本来のその人の状態になる、という考えを根底に、対症療法だけに頼らず、本当の意味での健康を手に入れる為の、心と体の土台作り.の大切さを学ぶ【土台作り.クラス】を開催。(土台作り.クラスは、東洋医学・西洋医学・栄養学・呼吸法・潜在意識活用などトータルで学ぶことが可能)
その他、ロシアの波動測定機メタトロンと使った健康相談、セルフケアコーチング、五行音叉を使ったオンサセラピーなどを行って、多くの方の【心と体の土台作り.】をサポートしている。
赤十字病院・元看護師。
