ストレスで太る人、痩せる人の違い

コルチゾールと脂肪・食欲・代謝の関係

「ストレスがたまると太る」
そんな話を聞いたことがある人は多いと思います。

でも一方で、
ストレスがかかると食べられなくなって痩せてしまう人もいます。
では、ストレスで太る人と痩せる人は、何が違うのでしょうか?

そのカギになるのが、
コルチゾールというホルモンです。

コルチゾールとは?

コルチゾールは、副腎から分泌されるホルモンで、よく「抗ストレスホルモン」と呼ばれます。
ただし、コルチゾールそのものが悪いわけではありません。

コルチゾールは本来、

  • 血糖値を保つ
  • 血圧を調整する
  • 炎症をコントロールする
  • 朝、体を起こす
  • ストレスに対応する

という大切な 体を危機から守る働きをしています。

朝になると自然にコルチゾールが上がり、体は「起きるモード」に入ります。
つまり、コルチゾールは生きるために必要なホルモンなのです。

問題は
本来下がるはずの時間にも高い状態が続くことです。
現代人のようにストレスが慢性化し、コルチゾールが高い状態が続くと、血糖値の乱れ、インスリン分泌、内臓脂肪の蓄積、筋肉分解などに繋がりやすくなってしまいます。

コルチゾールはどんな時に増える?

コルチゾールは、体が
「今、がんばらないといけない」
「危険に対応しないといけない」
と判断した時に増えます。

たとえば、

  • 精神的なストレス
  • 人間関係の緊張
  • 不安や焦り
  • 睡眠不足
  • 夜更かし
  • 血糖値の低下
  • 空腹時間が長すぎる
  • 過度な運動
  • 炎症や感染
  • 慢性的な痛み
  • カフェインの摂りすぎ
  • 暑さ寒さなどの環境ストレス
  • 感情の我慢

などです。

ここで大切なのは、
コルチゾールは「心のストレス」だけでなく、
体のストレス」でも増えるということです。

本人はストレスを感じていなくても、
睡眠不足、血糖値の乱れ、慢性炎症、栄養不足などがあると、体はストレス状態として反応します。

なぜストレスで太るのか?

ストレスが続くと、体は非常時モードに入ります

体の中では、
「今は危険な状態かもしれない」
「エネルギーを確保しておこう」
という反応が起こります。

この時、コルチゾールは、血糖値を上げます

糖質を摂っていなくても、ストレスで血糖値が上がることがあります。
それは、体が肝臓に貯めてあるグリコーゲンを分解したり、アミノ酸・乳酸・グリセロールなどを材料にして糖を作る「糖新生」を行うからです。
コルチゾールは、この糖新生を促し、ストレス時に必要なエネルギーを確保しようとします。
つまり、血糖値は食べた糖だけで決まるのではなく、体の中で作られる糖にも影響を受けているのです。

なぜなら、危険に対応するためには、すぐに使えるエネルギーが必要だからです。
本来なら、上がった血糖は筋肉を動かすために使われます。

でも現代人のストレスは、走って逃げるようなものではありません。

仕事のプレッシャー
人間関係
不安
考えすぎ
睡眠不足

など、体を動かさないまま続くストレスが多いですよね。
すると、血糖値は上がるのに、エネルギーとして使い切れません。
血糖値が上がると、体はインスリンを出して血糖を下げようとします。

インスリンは、血糖を細胞に取り込ませるホルモンですが、同時に
余ったエネルギーを志望として蓄える働きもあります。

つまり、

ストレスが続く

コルチゾールが増える

血糖値が上がる

インスリンが出る

余った糖が脂肪として蓄えられる

という流れが起こります。

これが、ストレスで脂肪が蓄積しやすくなる大きな仕組みです。

特にお腹まわりに脂肪がつきやすい理由

コルチゾールが慢性的に高い状態では、内臓脂肪がつきやすくなると言われています。
内臓脂肪とは、お腹の奥につく脂肪です。

「最近、お腹まわりだけ太ってきた」
「食べる量はそこまで増えていないのに、胴回りが変わった」
「昔より下腹が落ちにくい」

こういう変化には、コルチゾールインスリン睡眠不足血糖値の乱れ筋肉量の低下などが関わっている可能性があります。
特に、ストレスが強い状態で甘いものやパン、脂っこいものが増えると、さらに脂肪が蓄積しやすくなります。

ストレスで甘いものが欲しくなる理由

ストレスが続くと、食欲にも影響が出ます。

特に欲しくなりやすいのが、

甘いもの
パン
お菓子
脂っこいもの
味の濃いもの
夜の間食

です。

これは単に「意思が弱い」という話ではありません。

ストレス状態の体は、
「すぐ使えるエネルギーがほしい」
「高カロリーなものを確保したい」
というモードになります。

そのため、脳の報酬系が刺激され、甘いものや脂っこいものを欲しやすくなるのです。

だから、ストレスで食欲が増す人に対して、
「我慢が足りない」
「気合いが足りない」
と考えるのは少し違います。

体の中で、ホルモンと自律神経の反応が起きているのです。

では、ストレスで痩せる人はなぜ?

一方で、ストレスがかかると痩せる人もいます。

これは、体がかなり強く緊急モードに入っている状態です。

ストレスが強くなると、コルチゾールだけでなく、アドレナリンやノルアドレナリンなども増えます

すると体は、
「今は食べて消化している場合ではない」
「逃げる・戦う・耐えることを優先しよう」
というモードになります。

その結果、胃腸の働きが落ちます。

  • 食欲がない
  • 胃が重い
  • 食べると気持ち悪い
  • すぐ満腹になる
  • お腹を壊す
  • 便秘や下痢になる

という反応が出やすくなります。

つまり、ストレスで痩せる人は、
消化吸収モードに入れなくなっている
ということです。

ストレス痩せは健康的な痩せ方ではない

ストレスで体重が落ちると、
「痩せたからいい」と思う人もいるかもしれません。

でも、ストレス痩せは健康的な脂肪燃焼とは違います。

コルチゾールが高い状態が続くと、体はエネルギーを確保するために、筋肉のタンパク質を分解しやすくなります

つまり、脂肪だけが落ちているのではなく、
筋肉や体の材料が削られている可能性がある
ということです。

その結果、

  • 体力が落ちる
  • 疲れやすくなる
  • 代謝が落ちる
  • 冷えやすくなる
  • 顔や体がやつれる
  • 血糖値が乱れやすくなる

という状態につながることがあります。

ストレスで痩せる人は、
「脂肪が燃えている」のではなく、
体が消耗しているサインとして見た方が良いです。

太る人と痩せる人の違い

ストレスで太る人と痩せる人の違いを簡単にまとめると、こうです。

ストレスで太る人は、
コルチゾールの影響で血糖値が上がり、インスリンが出やすくなり、さらに食欲も増えやすいタイプです。

体は、
「エネルギーを溜め込もう」
という方向に反応しています。

一方、ストレスで痩せる人は、
交感神経が強く働き、胃腸の働きが落ちて、食べられなくなるタイプです。

体は、
「消化どころではない。今は生き延びることが優先」
という方向に反応しています。

つまり、同じストレスでも、
体がどちらに反応するかによって、太る人と痩せる人に分かれるのです。

同じ人でも、時期によって変わる

ここも大切です。
ストレスで太る人、痩せる人は、完全に固定されているわけではありません。

同じ人でも、

最初は食べられなくて痩せる

その後、疲労が慢性化して甘いものが増える

睡眠不足が続く

血糖値が乱れる

結果的に太りやすくなる

という流れもあります。

逆に、普段はストレスで食べてしまう人が、強いショックや極度の緊張で一時的に食べられなくなることもあります。

つまり、体重の変化だけを見るのではなく、
今、体がどんなストレス反応をしているのか
を見ることが大切です。

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ストレスで太りやすい人は、
血糖値、インスリン、睡眠、食欲、内臓脂肪、炎症などを見る必要があります。

ストレスで痩せやすい人は、
胃腸の働き、消化吸収、筋肉量、栄養不足、自律神経の緊張を見る必要があります。

どちらにも共通しているのは、
体が安心して代謝できる状態ではないということです。

だから、ただ食事制限をする、ただ運動を増やす、ただ気合いで我慢する、という方法では根本解決になりにくいです。

大切なのは、

  • 睡眠を整える
  • 血糖値を乱さない
  • 胃腸をいたわる
  • たんぱく質やビタミン・ミネラルを補う
  • 炎症のに繋がる刺激を減らす
  • 呼吸を深くする
  • 首・肩・みぞおち・お腹をゆるめる
  • 感情を我慢しすぎない

というように、体を非常時モードから安心モードへ戻していくことです。

まとめ

コルチゾールは、ストレスに対応するために必要なホルモンです。

でも慢性的に高い状態が続くと、

血糖値が上がる
インスリンが出やすくなる
甘いものが欲しくなる
内臓脂肪がつきやすくなる
筋肉が分解されやすくなる
胃腸の働きが落ちる

などの反応が起こります。

その結果、ある人は太りやすくなり、ある人は痩せやすくなります。

大切なのは、
「太ったか、痩せたか」だけを見ることではありません。

本当に見るべきなのは、
体がストレスをどう受け取り、どんな反応をしているのか
です。

ストレス太りも、ストレス痩せも、体からのサインです。

体重の変化だけで判断せず、
睡眠、血糖、胃腸、栄養、炎症、巡りを整えながら、体を安心できる状態へ戻していくことが大切です。