ゼロカロリー甘味料「エリスリトール」は本当に安全?
2025年の研究から考える、甘さとの上手な付き合い方
「砂糖は体に悪いから、ゼロカロリーなら安心」
「血糖値を上げないなら、人工甘味料の方がいい」
「糖質制限中だから、エリスリトールを使っています」
そんな方も多いのではないでしょうか。
近年、砂糖の代わりとしてよく使われるようになった甘味料のひとつに、エリスリトールがあります。
エリスリトールは、糖アルコールと呼ばれる甘味料の一種です。
甘さは砂糖の約60〜70%ほどとされ、カロリーはほとんどなく、血糖値を上げにくいという特徴があります。
そのため、糖質制限中の方、血糖値が気になる方、ダイエット中の方にとっては、まるで“夢のような甘味料”として広く使われてきました。
実際、アメリカでは2001年にFDAへGRAS通知が提出され、FDAは「質問なし」とする回答を出しています。
その後、ゼロカロリー飲料、プロテインバー、低糖質スイーツ、糖質オフのお菓子など、さまざまな食品に使われるようになりました。
ところが近年、エリスリトールについて少し気になる研究報告が出てきています。
2023年、エリスリトールと心血管リスクの関連が報告された
まず注目されたのが、2023年に Nature Medicine に掲載された研究です。
この研究では、血中のエリスリトール濃度が高い人ほど、3年以内に心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントが起こりやすい傾向があると報告されました。
さらにこの研究では、エリスリトールが血小板の反応性や血栓形成に関係する可能性も示されています。NIHもこの研究について、エリスリトール摂取が血液の固まりやすさに関係する可能性があり、さらなる安全性研究が必要だと紹介しています。
ただし、ここで大切なのは、
血中エリスリトール濃度が高いこと=エリスリトールを食べたせい
と単純に決めつけられないことです。
エリスリトールは食品から摂るだけでなく、体内でも作られます。
つまり、血中濃度が高い背景には、食事だけでなく、糖代謝や体内の代謝状態が関係している可能性もあります。
2025年の研究では「血管の内皮細胞」への影響が検証された
さらに2025年には、Journal of Applied Physiology に、エリスリトールが脳の毛細血管内皮細胞に与える影響を調べた研究が報告されました。
血管の内皮細胞とは、血管の内側を覆っている細胞です。
この細胞は、ただの“血管の壁”ではありません。
血管を広げるか、縮めるか。
血液をサラサラ流すか、固まりやすくするか。
炎症や酸化ストレスにどう反応するか。
こうした血管の健康状態に深く関わる、とても重要な細胞です。
この研究では、人の脳の毛細血管内皮細胞にエリスリトールを加え、数時間後にどのような変化が起こるかを観察しています。
その結果、いくつかの気になる変化が確認されました。
変化① 活性酸素が増えていた
まず確認されたのが、活性酸素、つまりROSの増加です。
活性酸素は、体にとって悪者というわけではありません。
免疫や細胞の情報伝達にも関わる大切なものです。
ただし、過剰に増えすぎると、細胞にダメージを与えやすくなります。
これを酸化ストレスと呼びます。
2025年の研究では、エリスリトールを加えた細胞で酸化ストレスに関わる変化が確認されました。
さらに、細胞側もそれに対応しようとして、SOD1やカタラーゼといった抗酸化に関わるタンパク質の反応が見られています。
これは、細胞が
「少し酸化ストレスが強くなっているかもしれない」
と反応しているような状態です。
変化② 血管を広げるNOが低下していた
次に重要なのが、一酸化窒素、NOの低下です。
NOは、血管をしなやかに広げるために大切な物質です。
NOが十分に働くことで、血管は広がりやすくなり、血流も保たれやすくなります。
ところが、研究ではエリスリトールを加えた細胞でNOの産生が低下していました。
NOが減るということは、血管が広がりにくくなる方向に傾く可能性があります。
これは、血流や血管の柔軟性を考える上で、見逃せないポイントです。
変化③ 血管を縮めるエンドセリン1が増えていた
一方で、血管を収縮させる働きのあるエンドセリン1は上昇していました。
つまり、細胞レベルでは、
・血管を広げる物質は減る
・血管を縮める物質は増える
という方向の変化が見られたということです。
これは、血管にとっては少し負担がかかりやすい状態と考えられます。
変化④ 血栓を溶かす反応も弱くなっていた
さらに気になるのが、t-PAという物質の反応です。
t-PAは、血の塊である血栓を溶かす方向に働く物質です。
通常、血液が固まりそうになったとき、体はそれを溶かそうとする仕組みを持っています。
しかし研究では、エリスリトールがある環境では、このt-PAの反応が低下していたと報告されています。
つまり、細胞レベルでは、
・血管が縮まりやすい
・血流が悪くなりやすい
・血栓を溶かす反応が弱くなる
という、心筋梗塞や脳卒中のリスクにつながる方向の変化が示されたということです。
では、エリスリトールは危険なの?
ここで大切なのは、必要以上に怖がりすぎないことです。
2025年の研究は、あくまで細胞実験です。
人間が普通に食品として摂ったときに、まったく同じことが体内で起こると断定できるものではありません。
また、研究で使われた濃度についても議論があります。
エリスリトールは摂取後に血中に入りますが、比較的速やかに尿中へ排出されることが知られています。
そのため、体内で高濃度の状態が長時間続くかどうかは、摂取量や個人の代謝状態によっても変わると考えられます。
つまり、現時点で言えることは、
エリスリトールは絶対に危険
ということではありません。
ただし、
ゼロカロリーだからいくら摂っても安心
とも言えなくなってきた、ということです。
問題は「エリスリトールそのもの」だけではない
ここで、土台作り.™の視点から大切にしたいのは、
エリスリトールだけを悪者にしないことです。
本当の問題は、
甘いものをやめられない状態が続いていること
かもしれません。
砂糖をやめても、人工甘味料で甘さを補い続ける。
血糖値は上がらなくても、甘い味への欲求は残り続ける。
ゼロカロリーだからと安心して、甘い飲み物やお菓子を頻繁に摂る。
これでは、体の土台が整う方向にはなかなか進みません。
甘味料を変えることよりも大切なのは、
甘さに頼りすぎない味覚に戻していくことです。
「少量ならOK」でも、積み重ねは見直したい
人工甘味料や食品添加物は、多くの場合、少量であれば問題ないという前提で使われています。
でも、現代の食生活では、知らないうちにいろいろな食品から少しずつ摂っていることがあります。
ゼロカロリー飲料。
糖質オフのお菓子。
プロテインバー。
低糖質スイーツ。
ノンシュガーガム。
カロリーオフの加工食品。
ひとつひとつは少量でも、毎日のように重なると、気づかないうちに摂取量が増えてしまうことがあります。
そして食品添加物や甘味料は、5年後、10年後に評価が変わることもあります。
だからこそ、今の時点で大切なのは、
「危険か安全か」の二択で考えることではなく、
摂りすぎない暮らし方をしておくことです。
今日からできる見直しポイント
エリスリトールとの付き合い方として、まずは次のことを意識してみてください。
1. ゼロカロリー飲料を毎日の習慣にしない
血糖値を上げないからといって、甘い飲み物を毎日飲む習慣は見直したいところです。
「甘い飲み物がないと落ち着かない」
「食後に必ず甘いものが欲しくなる」
「口さみしいとノンシュガーを選ぶ」
この状態が続いているなら、甘味料の種類よりも、甘さへの依存を見直すサインです。
2. 糖質オフ食品を“健康食品”と思いすぎない
糖質オフ、低糖質、ゼロカロリーと書かれていると、体に良さそうに見えます。
でも実際には、甘味料や加工度の高い材料が多く使われていることもあります。
「砂糖よりマシ」ではあっても、
「体を整える食品」とは限りません。
3. 原材料表示を見る習慣をつける
エリスリトールは、パッケージに大きく書かれていないこともあります。
原材料表示に、
エリスリトール、糖アルコール、甘味料、ステビア、スクラロース、アスパルテームなどがないか、一度確認してみると良いです。
大切なのは、完全に避けることではなく、
自分が何をどれくらい摂っているのか知ることです。
4. 甘さを減らす練習をする
甘味料を変えるよりも、少しずつ甘さの量を減らしていくことが大切です。
いきなりゼロにしなくても大丈夫です。
・飲み物は無糖に近づける
・甘いものを毎日から週数回にする
・甘さが欲しいときは果物や自然な甘みを選ぶ
・空腹やストレスで甘いものを欲していないか見直す
こうした小さな積み重ねが、味覚と代謝の土台を整えていきます。
まとめ:ゼロカロリーでも「摂りすぎない」が基本
エリスリトールは、これまで比較的安全性が高い甘味料として扱われてきました。
しかし2023年以降、心血管リスクとの関連や、血管内皮細胞への影響を示す研究が報告され、今後さらに検証が必要なテーマになっています。
現時点で大切なのは、エリスリトールを極端に怖がることではありません。
でも、
「ゼロカロリーだから安心」
「血糖値を上げないから毎日でも大丈夫」
と考えるのは、少し見直した方が良さそうです。
甘さは、ほどほどに。
人工甘味料も、ほどほどに。
そして何より、甘さに振り回されない体と味覚を育てていくこと。
それが、細胞レベルで体を整えるための、現実的で大切な一歩です。
「ヨガ&セルフケアスタジオ スーリヤ」と「心と体のセルフケアスクール スーリヤ」を運営しながら、必要なモノを入れること、不必要なモノを入れないこと・解毒すること、身心の巡りを良くすること、この3つを『土台作り.』とし、その必要性を発信。これらを整えることで本来のその人の状態になる、という考えを根底に、対症療法だけに頼らず、本当の意味での健康を手に入れる為の、心と体の土台作り.の大切さを学ぶ【土台作り.クラス】を開催。(土台作り.クラスは、東洋医学・西洋医学・栄養学・呼吸法・潜在意識活用などトータルで学ぶことが可能)
その他、ロシアの波動測定機メタトロンと使った健康相談、セルフケアコーチング、五行音叉を使ったオンサセラピーなどを行って、多くの方の【心と体の土台作り.】をサポートしている。
赤十字病院・元看護師。
