不調がいくつもある人ほど知ってほしい。「長く続くストレス」が体に起こしていること

 

「ストレスは体に悪い」
そんなこと、もう聞き飽きるほど聞いていますよね。

でも私は、いろいろな不調についてお話ししていても、結局ここに戻ってくることが本当に多いなぁと思っています。

心と体にかかる負担が、長く続くこと。

これが、私たちが思っている以上に体へ大きな影響を与えています。

「自律神経が乱れる」
「交感神経が緊張したままになる」
「ストレスホルモンが出続ける」

言い方はいろいろありますが、簡単にいうなら、
体がずっと“戦闘態勢”のままになっている
ということです。

でも、私は「ストレスは全部悪い」と言いたいわけではありません。
人生には、頑張らなくてはいけない時期もあります。

受験だったり、仕事の繁忙期だったり、子育てだったり、家族のことだったり。
少睡眠時間を削ってでも、踏ん張らなければならない時期だってあります。

私自身も、そんな時期はいくつも経験してきました。

問題なのは、
いつ終わるのか分からない状態が、ずーっと続くこと。

頑張る目的もよく分からない。
でもやめられない。

周りに合わせて、期待に応えて、
「私がやらなくちゃ」
「もっと頑張らなくちゃ」
と走り続ける。

例えるなら、

頂上が見えない暗い山を、ずっと登り続けているような状態です。

これが一番、体にこたえます。

そして厄介なのが、ずっと頑張っていた人ほど、ようやくホッとした途端にガクッと体調を崩すことがあるということ。

「あんなに忙しいときは元気だったのに、休みに入ったら寝込んだ」
なんていう話も珍しくありません。

張りつめていた糸が緩んだ瞬間、それまで表に出せなかった疲労が一気に出てくることもあるんですね。

では、交感神経の緊張が長く続くと、私たちの体では何が起こるのでしょう?

実は「疲れる」だけではありません。
かなり全身に影響します。


1.血液が末端まで巡りにくくなる

交感神経が優位になると、末梢の血管は収縮しやすくなります。

これは本来、危険から逃げたり戦ったりするときに、脳や心臓、筋肉など大切な場所へ血液を集めるための正常な反応です。

一時的なら問題ありません。
でも、それがずっと続いたら?

皮膚や手足、消化管などへの血流が低下しやすくなります。

すると、

手足が冷える。
肩や首がこる。
頭痛がする。
目が疲れる。
筋肉がこわばる。
疲れが抜けない。

といったことにつながっていきます。

私はいつも「巡りが大切」とお伝えしていますが、
栄養を摂るだけではなく、必要な場所まで届けられる状態であることも大切なんですね。


2.心臓や血管にも負担がかかる

交感神経が働くと、
「さあ、逃げるぞ!」
という体になります。

心拍数が増え、心臓の収縮力も高まり、血圧も上がります。

これも短時間なら必要な反応です。

でも毎日毎日、体が緊急事態だったら、心臓や血管は休めません。

動悸、頻脈、頭痛、頭重感、息苦しさなどにつながることがありますし、長期的には高血圧や心血管系への負担にも関係してきます。


3.血糖値が乱れやすくなる

ストレスがかかると、アドレナリンやコルチゾールなどが働きます。

すると体は、
「すぐに動けるように、エネルギーを用意しよう!」
と血液中に糖を送り出します。

昔なら、そのあと本当に走って逃げたり戦ったりして、その糖を使っていました。

でも現代のストレスは、

上司に腹が立った。
SNSを見てイライラした。
お金の心配をした。
人間関係でモヤモヤした。

……だからといって走って逃げませんよね(笑)

エネルギーだけは用意されるのに、使われない。

これが繰り返されると、血糖調節にも負担がかかってきます。

食後の眠気、強い空腹感、甘いものへの欲求、集中力低下、疲れやすさなどにもつながります。


4.「そんなに食べていないのに痩せない」にも関係する

急性のストレスでは、体は脂肪もエネルギーとして使おうとします。

ところが慢性的なストレスになると、

血糖の乱れ
睡眠不足
食欲調節の乱れ
ホルモンバランスの変化

などが複雑に重なって、逆に内臓脂肪がつきやすくなることがあります。

「食事を減らしているのにお腹周りだけ痩せない」
という人に、食事だけを見ても解決しないことがあるのはこのためです。


5.胃腸が働きにくくなる

これもとても大事です。

戦っている最中に、ゆっくり消化なんてしていられません。

そのため交感神経が優位なとき、体は消化よりも「生き延びること」を優先します。

すると、

胃がもたれる
食欲がない
逆に食べすぎる
お腹が張る
便秘
下痢
胃痛
腹痛

などが起こりやすくなります。

せっかく良いものを食べても、
消化して、吸収して、使える状態にできなければ意味がありません。

ですから私は「何を食べるか」だけではなく、消化・吸収できる体を整えることも大切だと思っています。


6.肩こり・腰痛・食いしばりが続く

ストレスが強いと、体は無意識に身構えます。

肩が上がる。
歯を食いしばる。
背中が硬くなる。
お腹にも力が入る。
寝ている間まで歯ぎしりしていたりします。

これが毎日続けば、筋肉だって休めません。
肩こり、首こり、腰痛、背中の痛み、食いしばり、緊張型頭痛などにつながっていきます。

だから筋肉を揉むだけでは、何度でも元に戻ってしまうケースがあるのです。


7.眠っても回復できなくなる

本来、夜は副交感神経が働き、
「今日も一日終わったよ」
と体を回復モードへ切り替えていく時間です。

ところが頭の中がずっと仕事中だったり、
寝る直前までスマホを見ていたり、
不安や心配事を抱えたままだったりすると、

体は布団に入っているのに、脳はまだ警戒しています。

その結果、

寝つけない
夜中に目が覚める
眠りが浅い
朝起きられない
寝ても疲れが取れない

という状態になります。

さらに、

ストレス → 睡眠不足 → さらにストレスに弱くなる
という悪循環に入ります。

睡眠は、単なる「休憩時間」ではありません。

体や脳を修復し、不要なものを処理し、翌日の体を作り直す大切な時間です。


8.免疫も乱れる

「ストレスで免疫が落ちる」
という表現をよくしますが、実際にはもう少し複雑です。

慢性的なストレスでは、
必要なときの免疫反応が弱くなる一方で、慢性的な炎症は起こりやすくなる
という、免疫の調節そのものがうまくいかない状態になることがあります。

風邪をひきやすい。
一度ひくとなかなか治らない。
口内炎が繰り返す。
ヘルペスが出る。
傷が治りにくい。
肌荒れが続く。

そんなところにも関係することがあります。


9.慢性炎症と酸化ストレスが増えやすくなる

私は慢性炎症のお話をよくしますが、ストレスも無関係ではありません。

自律神経、ホルモン、免疫、睡眠、血糖。
これらは全部つながっています。

どこか一つだけがおかしくなるわけではありません。

慢性的なストレス状態が続けば、
炎症を抑える仕組みも乱れ、
酸化ストレスも増えやすくなります。

すると、

だるい
頭が痛い
体が痛い
肌の調子が悪い
頭がぼーっとする
集中できない
なんとなくずっと調子が悪い

といった、

「検査では特に異常がないんですけどね」
と言われるような不調にもつながっていきます。


10.修復が追いつかなくなる

私たちの体は、毎日少しずつ傷つき、毎日修復されています。

問題は、
壊れるスピード > 修復するスピード
になってしまうこと。

  • 睡眠不足
  • 高血糖
  • 慢性炎症
  • 酸化ストレス
  • 血流低下
  • 免疫の乱れ

これらが積み重なっていけば、当然、回復は遅くなります。

「昔は一晩寝れば元気だったのに」
というのは、単に年齢だけの問題ではありません。

体を修復できる環境が整っているかどうかも、とても大切なのです。


11.脳や心にも影響する

当然ですが、脳も体の一部です。

慢性的なストレスが続けば、

イライラする
不安になる
焦る
集中できない
物忘れが増える
判断できなくなる
やる気が出ない
頭がぼーっとする
ということも起こります

そこでさらに、
「私ってダメだな」
「昔はもっとできたのに」
と自分を責めてしまう方がいます。

でも、そんなときに必要なのは根性論ではなく、

まず、脳と体が安心できる状態を作ること
かもしれません。


12.女性ホルモンや甲状腺などにも影響する

体にとって一番大事なのは、生き延びることです。

そのため強いストレス状態が続くと、
生殖や成長など、「今すぐ生きるためには優先順位が低い機能」は後回しになりやすくなります。

その結果、

月経周期の乱れ
PMSの悪化
排卵への影響
性欲低下
疲労感
体重変化

などにつながることもあります。

だから女性の不調も、
「女性ホルモンだけ」
を見ればよいわけではありません。


症状が10個あっても、原因が10個とは限らない

ここが、私が一番お伝えしたいところです。

  • 肩がこる。
  • 眠れない。
  • 胃がもたれる。
  • 甘いものが欲しい。
  • 冷える。
  • 生理が乱れる。
  • 疲れる。
  • 頭痛がする。
  • 肌が荒れる。
  • イライラする。

これだけ並ぶと、

「私、いったい何個悪いところがあるんだろう……」
と思ってしまいますよね。

そして病院へ行けば、

頭痛には頭痛の薬。
胃には胃薬。
眠れなければ睡眠薬。
血圧が高ければ降圧薬。

と、それぞれに対する対処が必要になることもあります。
もちろん、必要な治療は受ければよいのです。

でも、

10個の症状があるからといって、10個別々の原因があるとは限りません。
根っこが同じこともあるのです。

だからこそ私は、
「症状を何とかする」ことだけではなく、

なぜ、その症状が出る体になっているのか
を見てほしいと思っています。


だから「土台」を整える

ストレスだけをなくせば健康になるわけでもありません。
栄養だけ摂ればよいわけでもありません。
デトックスだけすればよいわけでもありません。

私が大切にしているのは、
補給・解毒・巡り。

  • 必要な材料を入れる。
  • 消化・吸収できるようにする。
  • 不要なものを処理し、外へ出せるようにする。
  • 血液やリンパが巡り、必要な場所まで届けられるようにする。

そして忘れてはいけないのが、

  • 心の巡りです。

いつも我慢していないか。
人の期待に応え続けていないか。
「こうしなければならない」に縛られていないか。
本当は嫌なのに、笑って引き受けていないか。
体を整えながら、こうした心の緊張も少しずつほどいていく。

私はそれも含めて、
「土台作り.™」
だと思っています。


もし今、
「これ、私のことかもしれない」
と思ったとしても、

怖がりすぎる必要はありません。

でも、
適切には怖がってほしい。

体は、ある日突然あなたを裏切って不調になるわけではありません。

その前からずっと、
「ちょっと休ませて」
「もう無理してるよ」
「そろそろ気づいて」

と、小さなサインを出していることがあります。

症状は、ただ邪魔なものではなく、
体から届いているメッセージかもしれません。

だから、症状を消すことだけを考えるのではなく、

「今、私の体は何を訴えているんだろう?」
と、一度立ち止まって見てみてください。

根っこが同じなら、
根っこを整えていくことで、
一見バラバラに見えていたいくつもの不調が、一緒に変わり始めることがあります。

健康になるというのは、
一つひとつの症状と戦い続けることではなく、

体が本来持っている“戻る力”を発揮できる環境を整えてあげること。

私は、そこが一番大切だと思っています。