摂りたい脂質と減らしたい脂質

 

Tくん
僕、ダイエットしたいと思っていて~ノンオイルに気をつけているんです♪
司このみ
konomi
脂質には摂る必要のある大切な脂質がありますし、摂る事を控えた方が良い脂質もあります。ちゃんと知って自分の体に取り入れられると良いですよ!

 

~脂質を理解して健康の味方に!~「摂りたい脂質 減らしたい脂質」

 

脂質は太りそうなど悪者イメージがある一方で、健康に役立つとして注目されている油もあります。
何を摂るべきか、控えるべきか?脂質との賢い付き合い方を考えてみましょう。

 

脂質とは?

体内で1g当り9kcalとなり、3大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)の中で最も高い熱量を生み出し、少量で長時間活動できるエネルギー源。油脂は食品としての“あぶら”を指す言葉で、一般的には常温で液体の脂質を“油”固体の脂質を“脂”と呼んでいます。

 

健康の敵にも味方にもなる脂質

体のエネルギー源として重要な栄養素でありながら、“太る”“体によくない”と敬遠されがちな脂質。確かに、摂り過ぎると体内に脂肪として蓄積し、肥満などにつながるため、悪者イメージが拭えません。
しかし脂質は、健康維持に欠かせない大切なサポーターでもあるのです。エネルギー源となるだけでなく、細胞膜やホルモンの材料になったり、体温を維持したり、脂溶性ビタミンの栄養の吸収を助けるなどの働きも。つまり、脂質は、健康の敵にも味方にもなる存在というわけです。

 

採り過ぎても不足しても支障が

体の中で蓄積した余分な脂質は血液をドロドロにし、生活習慣病や動脈硬化などを引き起こすリスクを高めます。一方で、脂質不足でも体に支障がでてしまいます。ホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足で疲れやすくなるなど体調不良の要因となるだけでなく、肌荒れやシワ髪のパサつきなどにもつながります。脂質は採り過ぎても不足しても健康の敵となるため、“適量”がポイントです。

 

“見えない脂質が採り過ぎの一因に!?”

1日に摂る脂質の量は、調理に使う油脂だけではありません。菓子パンスイーツ、スナック菓子などの加工食品で“見えない脂質”をたくさん摂っているケースも。油脂はおいしさの決め手となる旨味成分でもあるため、加工食品にも多用され、気づかないうちに脂質を摂り過ぎる一因になっているとの指摘もあるのです。

 

脂質の性質を知って健康の味方に

最近、ココナッツオイルやエゴマ油などが健康オイルとして話題を呼んでいますが、油脂は、その性質や働きの違いによっても健康への影響が大きく異なります。何を摂って何を控えるべきか?詳しく見ていきましょう。

 

脂質のバランスが健康のカギ!

脂質は、それぞれの性質をしりバランスよく摂ることが大切。個々の違いをしっかり理解して健康の味方に!

 

それぞれの働きが異なる脂質

脂質と言っても、肉類や魚介類の油脂、植物油もあり、固体や液体などの形状もさまざま。脂質の大部分は脂肪酸で構成され、脂肪酸の種類によってその働きも異なります。
大きく分けると、常温で固体の“飽和脂肪酸”と、液体の“不飽和脂肪酸”の2つがあり、飽和脂肪酸は動物性の脂肪に豊富で、採り過ぎると肥満や生活習慣病の要因に。一方の不飽和脂肪酸は植物油や魚油に多く、その働きによってさらに“オメガ6系脂肪酸”と“オメガ3系脂肪酸”に分類されます。

 

リノール酸の“健康神話”は過去のもの!?

オメガ6系脂肪酸オメガ3系脂肪酸はともに体内で合成できないため、“必須脂肪酸”と言われていますが、近年その評価が大きく変化しています。
一般にサラダ油と称されるオメガ6系脂肪酸はリノール酸としておなじみで、“動物性脂質”という健康志向に乗って一時期ブームを巻き起こしました。しかし、リノール酸は食用油や加工食品に多く含まれるため、取り過ぎの傾向になっています。この40年間で日本人のリノール酸摂取量は3倍に増加との報告もあるくらいです。摂り過ぎると免疫システムが過剰に働き、アトピー性皮膚炎や花粉症増加の要因になると言われています。

 

脂質のバランスが健康状態を左右

もっと摂るべき脂質として注目されているのがオメガ3系脂肪酸。オメガ6の比率が高いと、オメガ3の働きが阻害されるとの報告もあります。しかし、現代人はとにかくオメガ6の摂取が多めの傾向にあり、オメガ3を増やすという意識だけでは不十分で、オメガ6を減らして両者のバランスを正す必要性を指摘する声もあります。
厚生労働省のオメガ6とオメガ3の推奨摂取割合は“4対1”ですが、“2対1を最終目標に”という専門家の声もあり、バランスを意識しながら、食生活でオメガ3を積極的に摂り、あわせてオメガ6を減らす工夫が必要なようです。

脂肪酸の種類と特性

脂肪酸とは脂質をつくっている成分。脂肪酸の組成によって分類され、性質もそれぞれ異なります。
脂肪酸は2つの脂肪酸に分かれます。

 

飽和脂肪酸(体内でも作られる)「減らしたい!」

代表的なエネルギー源ではありますが、摂り過ぎると肥満の原因になります。
肉やバター、生クリームなどの動物性食品の脂肪に多く含まれている。採り過ぎると血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)を増やし、体内に蓄積されて生活習慣病を招く要因になります。しかし、例外がココナッツオイルで、主成分の中鎖脂肪酸は中性脂肪になりにくい性質で近年話題になっていますね。
(卵、ラード、チーズ、バター、牛肉など、ココナッツオイル)

 

不飽和脂肪酸

さまざまな生理機能を有し、体脂肪になりにくいと言われています。
血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きなど、健康に良い油脂とされている。不飽和脂肪酸の中でもさらに種類があり、それぞれに異なる性質を持ちます。

そして、この脂肪酸には、2種類あります。

 

オメガ6系脂肪酸

減らしたい!」脂肪

体内でつくることができない「必須脂肪酸」ではありますが、現代生活では摂り過ぎ状態!
紅花油、大豆油など主に植物から摂れる脂肪酸で、リノール酸としておなじみ。悪玉コレステロールを低下させる植物油として、健康に良いイメージで注目されたものの、加工食品に多用されるため取り過ぎの傾向にあり、健康への悪影響も懸念されている。(大豆油、紅花油、コーン油)
遺伝子組み換えの材料で作られている油が多い

オメガ3系脂肪酸

増やしたい!」脂肪

体や脳の健康効果で期待が!
魚油に多く含まれる脂肪酸で“さらさら効果”で知られるEPA、脳に有効な油として知られるDHAなどがあります。体内でつくることができないため食生活で補う必要があるのですが、現代生活では不足しているとの指摘もよく耳にします。
魚油以外に、話題のエゴマ油やアマニ油に多く含まれるαリノレン酸もオメガ3系脂肪酸に含まれる。(サンマ、イワシ)

積極的に摂りたい油、オメガ3系脂肪酸 EPA・DHA

健康をサポートする期待の成分として、世界中で精力的な研究が行われている“魚油パワー”。
現代人の健康を支える救世主として、多彩な働きで注目されています。

 

旬の魚はEPA・DHAが豊富!

“魚油パワー”として知られるEPADHA。イワシやサバなど青魚に多く含まれているEPAは“さらさら効果”で、DHAは“脳の健康”をサポートする脂質として、現代人に必要な多彩な働きで注目の的。旬の魚には特にEPAやDHAが豊富ですが、加熱など調理過程で減少してしまうため、お刺身など生で食べる方法が最も効率がよいとされています。

 

必要なのに摂れていない現代生活

長寿大国・日本の健康を支えてきたひとつが、魚を多く取り入れた食生活だと言われています。しかし現在、日本人の魚離れは深刻で、調理が面倒、食べづらいなどの理由で敬遠されがち。健康のために積極的に摂りたい脂質であるにもかかわらず、魚の摂取量は減る一方です。
EPAやDHAは体内でつくることができない必須脂肪酸だけに、積極的な摂取を心がけたいもの。サプリメントなら手軽に摂れて便利ですが、EPAやDHAは酸化しやすいという弱点があるため、抗酸化に配慮したものを選ぶことが大切です。

EPA 青魚の“さらさら効果”で健康応援!

魚油パワーで生活習慣病を遠ざける

青魚のさらさら効果で知られるEPA。悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす一方、善玉コレステロールを増やすと考えられ、血行をサポートして生活習慣病を遠ざける働きに期待されています。日本の漁村に住む人たちは魚の摂取量が多く、心血管系疾患が少ない点や血液の健康状態が良好という研究報告もあります。

 

血管年齢にも関わるEPA

血管は年齢とともにしなやかさを失い、厚く、硬くなっていきがちです。EPAのさらさら効果はそんな血管年齢にも好影響があると言われています。EPAは体内に酵素や栄養を運搬する血管をしなやかにし、血栓をつくりにくくすると言われ、血管の健康維持でも注目されています。

 

高脂肪食のイヌイットの健康の秘話

グリーンランドの先住民イヌイットの食生活と健康に関する調査によって広く知られるようになった「EPA」。彼らは高脂肪食を摂取しているにもかかわらず、動脈硬化や血栓症がほとんど見られないことが判明しているのです。その理由として脚光を浴びたのが、主食であるアザラシ等に含まれる脂肪(EPA)の存在でした。

 

炎症を鎮めてアレルギーや疾病に予防に

同じくイヌイットの疫学調査でわかったのが、彼らにはリウマチなど炎症による慢性疾患が少なかった点。そもそも炎症はウイルスや細菌などの外敵から体を守る際の反応ですが、炎症反応が慢性化すると自らの組織も攻撃し、過剰になると花粉症やアトピー性皮膚炎のようなアレルギーリウマチなどの要因に。EPA、DHAにはこうした炎症を抑制する働きを示すデータも多数報告されています。

 

脳に最も多く存在するDHA

DHAは、脳や網膜、心臓などに存在しますが、中でも脳の神経細胞に多く分布しています。体内で極端にDHAが欠乏した場合、脳内の含有量も減りますが、ほかの器官で限りなくゼロに近づいても、脳内では最低限のレベルは保たれるようコントロールされていると見られ、DHAがそれだけ脳にとって重要な物質という証。アルツハイマー型認知症を患った高齢者の脳の海馬では、DHA含有量が極端に減少していたという研究データもあります。

 

脳のネットワーク力を活性化

脳を活性化するカギを握っているのが、細胞膜の柔軟性です。細胞膜が柔らかく流動的であるほど、情報を伝達する脳のネットワーク機能も円滑に。DHAには細胞膜を柔軟に、変形しやすくする働きがあり、記憶力集中力判断力など“脳力”アップをサポートすると考えられています。

 

DHAが注目されたきっかけは、日本の子供達の知能指数!?

1989年、イギリスの医学者マイケル・クロフォード博士が発表した“日本の子供の知能指数が高いのは、魚を多く食べる日本人の食習慣が理由のひとつ”という説からDHAへの関心が一気に高まりました。また、日本人の母乳はDHAが豊富で、平均的な含有量はアメリカ人の母乳の3倍以上という研究報告もあります。

 

脳内に入ることができる数少ない栄養素

DHAは脳に入っていける選ばれた存在だったということも特性のひとつ。生命活動の司令塔という重要な役割を担っている脳内には、“血液脳関門”と呼ばれる厳密なチェックシステムがあり、必要最低限の物質以外は門前払いされる仕組みになっています。こうした厳しいチェックを通過できる物質のひとつがDHAなのです。

 

まとめ

魚離れは、止めとることはできないかもしれませんが、無くてなならない必要な栄養素である脂質。
脳の為にも、アレルギー対策の為にも、炎症対策の為にも、血管年齢の為にも、いろんな健康面の事を考えて、しっかりとバランス良く摂りたいものですね。

参考No227