脳にしっかり栄養補給

 

~健康寿命を左右し、ヤル気や能率アップにも!~
脳にしっかり栄養補給

現代の健康ポイントとしてクローズアップされている〝脳〟。
脳の働きは健康寿命の重要なキーワードとなるだけでなく、意欲や行動にも大きく影響します。
今回は、栄養補給の視点から、脳の活力を応援し、すこやかな毎日を送る方法を探ります。

 

感情や性格、行動まで脳が関与

〝脳〞という言葉からすぐに連想するのは、記憶力や頭の良さでしょうか。
しかしこれらは脳の働きの一部にすぎず、喜びや悲しみ、怒りなど、私たちが心の作用と思っていることも、実は脳の働きによるもの。好き嫌いの判断、コミュニケーションや相手の気持ちを理解する能力、生まれつきと思っていた性格でさえ、脳が影響しているのです。

 

脳は心身の司令塔

感情や行動に加えて、脳は健康状態にも深く関わり、内臓の働きや体温調節、血流、ホルモン分泌などもコントロール。また、考える、記憶する、見る、聞く、話すなどさまざまな活動が脳内の各領域で分担され、コンピューターさながらに緻密な作業が行われています。脳は心身の活力や健康状態、老化スピードにまで影響をおよぼす、まさに生命活動の司令塔と言えます。

 

〝健考〟力の低下、その要因は脳の栄養不足?

心身の健康を支える重要な臓器である脳。しかし、情報があふれる現代社会は脳を疲弊させ、年齢に関係なく、若い世代や働き盛りにも、脳機能低下のリスクが高まっています。
栄養の不足やアンバランスは病気や不調の引き金となりますが、実は脳こそ、それらの影響が顕著にあらわれる臓器。そのメカニズムは後で触れますが、脳の栄養状態を改善することで意欲が戻ったり、うつが緩和されるという専門家の声も。脳は私たちの〝健康〞のみならず、生活の質まで左右する重要なキーワード。脳が必要とする栄養を補給することは、〝健考〞力を維持していくための重要なカギとなります。

意欲が出ないのは気分の問題ではなく脳の機能低下のせい!?

"やる気のあり・なし" は気分しだいと考えられがちですが、こうした感情や思考も脳の状態によって変化します。ドーパミンやアドレナリンといった意欲に関わる神経伝達物質が不足すると脳の機能が低下し、意欲減退の要因に。

 

脳は働き者!そのメカニズムと可能性

脳科学の解明とともに、脳の計り知れない可能性も見えてきた現代。
そのメカニズムを探りながら脳機能を活性化させるカギに迫ります。

 

なぜ栄養不足に?
エネルギーの1/5を脳が消費

体の司令塔である脳は、日々の情報処理を行い、生命活動を担い、24時間活動し続ける働き者。それだけに、体中のどの臓器よりも栄養を必要とします。脳の重量は成人で約1㎏ですが、体重が50㎏とすると、わずか2%ほどにすない脳が必要とするエネルギー量は、なんと18〜20%。全身で使うエネルギー量の約1/5を脳が消費しています

脳は24時間活動を続ける働き者!
脳は記憶や情報処理だけでなく、内臓の働きや体温調節など全身のあらゆる機能をコントロール。リラックスしている時や睡眠中でさえ、脳は活動し続けているのです。

なぜ機能低下が?
体内で最も酸化されやすい脳

体中で一番の働き者だからこそ、充分な栄養やエネルギーが供給されなければ、脳の機能は低下してしまいます。
膨大なエネルギーを消費する脳では大量の酸素が使われ、その結果、活性酸素が大量発生。すると、脳の神経細胞や血管をサビつかせて血流を停滞させ、脳機能を低下させる引き金に。脳の酸化ダメージはアルツハイマー型認知症を誘発する主要因のひとつとも考えられています。

 

脳は意外にしぶとい?
年齢とともに脳細胞は減少それでも脳は一生成長する!?

1000億個以上とも言われる脳の神経細胞。その数は20歳頃をピークに減少し始め、年齢とともに脳の働きは衰えると言われてきました。しかし近年、記憶に深く関係する脳の海馬では、新たな神経細胞が生み出されているとの報告もあります。
また、脳全体の機能において細胞の数以上に重要視されること、それが脳のネットワーク力です。神経細胞の間には神経伝達物質が多数存在し、刺激を受けるとそれらが放出されて情報を伝達。細胞同士が繋がるネットワークが円滑であれば、脳はいくつになっても活性化できると考えられています。
刺激の少ないマンネリ化した生活は脳のネットワークを停滞させ、その成長に歯止めをかけます。しかし、人との交流や感動、新しい体験などは脳を刺激してネットワークを強化。ジョギング、水泳、ヨガなどの有酸素運動も脳の機能アップに有用とされ、また、献立や段取りを考えながら行う料理は、まさに脳トレそのものです。
脳は一生、成長を続ける臓器とも言われ、使い方や刺激の与え方しだいで、その可能性を引き出すと考えられています。しかしここで重要なのは、脳の鍛錬にも〝まず栄養ありき〞という前提条件。脳は充分な栄養で満たされて初めて、鍛錬を生かしていくことができるのです。

認知症の人が2025年には約700万人に

認知症高齢者の増加傾向に拍車が!

脳の可能性に期待が高まる一方で、私たちは認知症患者の増加という現実にも直面しています。
2015年1月に厚生労働省より公表された新たな推計で、認知症高齢者の増加の実態が明らかに。国内の認知症高齢者の数は、2012年の時点で462万人と推計されていましたが、2025年には約700万人(65 歳以上の高齢者の約5 人に1
人)に達すると見込まれています。約10年で1.5倍にも増えるというシビアな現実が迫ってきたのです。
認知症は今や、誰もが関わる可能性のある身近な病。何よりも重要なのは、日常生活の中で認知症の発症リスクを減らすことです。そのためにも、食生活や生活習慣の見直しなど、早め早めの対策がカギとなります。

 

食生活を味方に脳を機能アップ!

何を食べ、どんな毎日を過ごしているかによって、脳の働きは良くも悪くも変化します。
さて脳は、どんな栄養や食生活を必要としているのでしょう?

朝食をきちんと摂ると仕事の能率アップ!成績アップにも!

脳にとって、一日のスタートとなる朝食はとても重要。朝食を摂るとエネルギーが補給され、寝ている間に低下した体温が上昇。ウォーミングアップさながらに、脳も活動の準備を整えます。体はもちろん、脳にもエネルギーが補給されるため、仕事や家事での集中力が高まり能率もアップ。また、勉強にも影響し、子供たちの朝食 "あり・なし"を比べたところ、朝食を摂った方が成績が良いという報告も。

 

栄養は〝健考〟力を左右する

脳の働きに大きな影響をもたらす食生活。では、脳はどんな栄養を必要としているのでしょう?
まずは、脳にしっかりと血液を届けることが大切。脳のエネルギー源となるブドウ糖と酸素を運ぶのが血液で、血行が悪いと神経細胞に栄養が届かず、脳機能の低下を招きます。
抗酸化成分も重要なキーワードで、脳の神経細胞や血管の酸化防止をサポート。抗酸化力に優れた食材や栄養素はアルツハイマー型認知症の予防にも有用と言われており、体内の抗酸化力が低下しやすい中高年世代、ストレスの多い生活の方は特に積極的に摂りたいものです。
また、記憶力や集中力に関わる栄養素として注目の成分や脳の活性化をサポートする栄養素は、勉強や仕事の能率アップも後押し。言うまでもなく、肝心の脳をつくる材料となる栄養素と一緒にしっかりと補給することが大切です。

 

栄養補給で脳を好循環

しかし、忙しい現代では食生活も乱れがちで、脳が働くために必要な栄養素を充分に摂れていない人が多いと専門家は指摘します。脳は多量のエネルギーを求めるので、そのエネルギーがきちんと供給され続けることで、脳のネットワークが活性化。しっかり働き、しっかり栄養補給された脳はさらに活動的になり、〝健考〞な好循環が生まれます。
日頃の食事で摂りにくい食材や充分な摂取が難しい栄養素などは、サプリメントを上手に活用するなど、脳も栄養管理が大切です。脳が喜ぶ食生活を取り入れ、しっかりとした活力補給を心がけましょう。

 



シャルドネ葡萄種子エキス
脳の健康を応援する注目のポリフェノール
葡萄ポリフェノールの中でも、特にシャルドネの種子エキスは脳の血流に関わるエピカテキンを多く含有すると言われています。血流がスムーズになると脳に酸素や栄養が行き渡りやすくなるため、脳の活力をサポートする注目株として期待が。

ガラナエキス
記憶力や集中力に関わる話題の成分
南米原産のカエデ科の植物。乾燥させたガラナの種子は、現地では食品や薬の原料として多用。ガラナエキスを使った臨床試験では、記憶力や集中力、注意力、認識速度に関する報告があります。

ビタミンB群
脳の働きに関わる多彩なパワー
ビタミンB群は脳の活発な働きを支えるために不可欠な栄養素。たとえばビタミンB1は脳の働きを高める糖質の代謝に関与、B6は神経伝達物質の合成を応援。B12は脳のネットワークの活性化をサポートし、葉酸は認知症予防との関わりでも注目されています。
こうした脳のさまざまな働きに関わるため、不足すると認知機能や集中力低下の要因に。

たんぱく質
脳をつくる材料で不足すると意欲低下
脳の神経細胞はもちろん、セロトニンやドーパミンなど神経伝達物質の多くもたんぱく質からできています。
不足すると脳内のネットワーク活動が停滞して、思考力や集中力が低下する要因に。また無気力・無関心など気分や行動にまで影響をもたらします。

レシチン
記憶力アップのカギ
大豆製品や卵に多く含まれるレシチンは、別名〝脳の栄養素〟とも呼ばれる重要な成分。神経伝達物質の活性化や、脳のネットワーク機能に関与して記憶力をサポート。欧米ではアルツハイマー型認知症患者に対する臨床試験で有用性が報告された例も。

DHA
記憶力や脳の活力アップを応援
DHAはサンマやアジなど青魚に多く含まれるオメガ3系の不飽和脂肪酸。脳の2 ⁄ 3は脂質でできていると言われ、DHAは脳の細胞膜を柔軟に保って情報伝達をスムーズかつスピーディに。記憶力など脳の機能向上に関わり、若々しい脳をサポートします。

イチョウ葉
血行促進と抗酸化 記憶力アップのカギWパワーで脳をサポート
イチョウ葉には30 種類以上のフラボノイド(ポリフェノールの一種)が含まれ、さらにイチョウ葉特有の成分ギンコライドの働きも加わって、独自の有用性を発揮。血流を促して脳を活性化させ、また酸化ダメージを受けやすい脳を抗酸化パワーで守ります。

 

No.266