抗糖化と抗酸化

エイジングと上手につきあう決め手は抗酸化抗糖化

いつまでも若々しく健やかに生きていきたい。
そう思う私たちの前には誰もがさけることのできない【老化】という壁が立ちはだかります。
今回は、廊下のスピートを早めてしまう大きな要因と言われる【酸化】と【糖化】について考えます。

 

酸化とは?

細胞内で酸素から活性酸素が生まれ、体をサビつかせる

酵素 → 細胞内のミトコンドリア → 活性酸素

コンドリアでエネルギーがつくられる過程で生まれるのが活性酸素。強い攻撃力を持ち、体内に侵入したウイルス や細菌などの外敵を退治する一方、必要以上に増えると細胞にダメージを与えてしまいます。
これが「酸化」現象で、細胞の〝サビ〞とも呼ばれ全身で老化を進行させます。細胞膜の酸化はDNAにまで影響し てがんの要因となり、血管壁の酸化は動脈硬化を引き起こすなど病気の引き金に。

 

糖化とは?

体内のたんぱく質が変質してAGEsとなり機能低下

余分な糖質 + たんぱく質 × 熱 ⇒ 終末糖化産物 AGEs

「糖化」とは、体内で余分な糖質とたんぱく質が結びつき、体温で熱が加えられてたんぱく質が変質する反応。
食事でとった糖質は全身でエネルギー源となりますが、過剰になると糖化反応の引き金に。たんぱく質はAGEs(終 末糖化産物)という老化原因物質に変質し、蓄積するとたんぱく質本来の働きができなくなります。
肌は弾力が失われてシワ・たるみ・くすみなどが発生。血管は硬くなって動脈硬化が進行。また、骨がもろくなるなど全身でさまざまな老化現象が表れます。

 

エイジングとは? 加齢と老化 何が違う?

エイジングとは「加齢」のこと。生まれてからひとつずつ年齢が増していく加齢は止めることができません。そし て30歳前後から体のさまざまな機能が衰えていく老化が始まるといわれます。この時からエイジングは「老化を伴 う加齢」に。老化も完全に止めることはできませんが、それでも日常生活の努力などによって遅らせることができ 、一般的にそれはエイジングケアと呼ばれています。

 

寿命がのびて老化に向き合う年月が長期化

昭和の時代以降、衛生面の向上食生活の充実、医学の進歩などにより寿命は急激にのびて、人生90年にもなろうとする勢いです。30代から衰えが始まっているとすれば、人生の半分以上は老化とつきあうことに。
その間、衰えを黙って受け入れるのでは、健康寿命をのばすことなど期待できません。いつまでも元気でいきいき と暮らすためには、老化にどう立ち向かっていくかが鍵といえるでしょう。

 

避けられない老化のファクター酸化と糖化に注目

近年、老化の大きな要因とされているのが「酸化」と「糖化」です。私たちは呼吸で酸素を取り入れてエネルギーをつくり出します。その時に発生する活性酸素が細胞にダメージを与える「酸化」を引き起こし、老化 の原因となります。また、本来は大切な栄養素である糖質もとりすぎると体内のたんぱく質を変質させる「糖化」 が起こり、老化原因物質が発生。つまり「抗酸化」「抗糖化」こそエイジングと上手につきあう重要な鍵のひとつ なのです。

 

ポイントは活性酸素を減らし、糖質を余らせないこと

では、エイジングと上手につきあうためには、どうすればよいのでしょうか?
「抗酸化」は体内の活性酸素を減らすこと、「抗糖化」は血液中に過剰に糖質を余らせないことがポイント。「酸 化」と「糖化」は別々の現象ですが、互いに影響し合うことがわかっているので、どちらか一方だけでなく両方を ケアすることが大切です。

 

誰もが避けられない「酸化」と「糖化」
こんな生活が老化を早める!

体内でひそかに、確実に起こっている「酸化」と「糖化」。
それを加速させてしまう要因は、私たちの生活の中に潜んでいます。
どんなことが活性酸素を増やしてしまうのか、糖質を体内で過剰に余らせる要因は何かを知っておきましょう。

 

糖化
食生活で油断すると、つい糖質をとりすぎて「糖化」しやすい体に

糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもので、主食の米や小麦など穀類のほか、芋類、砂糖などに多く含まれま す。炭水化物のとりすぎは糖質過多に直結。また、野菜もビタミン・ミネラルなどがとれる反面、糖質を多く含む ものがあります。さらに甘みのある調味料など、意識せずにとっている糖質も積み重なって「糖化」につながるの で注意が必要です。厚生労働省による1日の炭水化物の摂取基準(平均値)は、30~49歳の男性が約380g、女性は 約287g。50歳以上はさらに少ない量で十分とされています。糖質量の目安として、あなたの1日の炭水化物摂取量 をチェックしてみましょう。

※厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」をもとに算出。

※栄養成分に炭水化物と表示されている場合は、糖質+食物繊維の量です。

[参考/主食の炭水化物の量]
●ごはん1杯[150g]:55.7g ●食パン6枚切1枚[60g]:28g
●うどん1玉[250g]:54g ●そば1杯[200g]:52g ●パスタ1人分[100g]:73.9g

 

糖質注意報1
思い込みで知らぬ間に……

3度の食事以外に、間食や飲み物などに含まれる糖質も積み重なっていくのをお忘れなく。例えば、市販のヨーグ ルトで" 低糖"を選んだり、カロリーを気にして" 脂質ゼロ"を選んでも、糖質は思っているほど減らせない場 合も。

 

糖質注意報2
気をつけたい"重ね食べ"と"糖質ダブル"

「ラーメン+ライス」や「お好み焼き+ごはん」など、主食である炭水化物を複数とる" 重ね食べ"は糖質過多 になりやすい組合せ。また、見逃しがちですが、ホワイトソースやじゃがいも、生クリーム( 加糖)などを主食 と一緒にとれば、重ね食べ同様に糖質がダブルに。

朝食抜きは「糖化」「酸化」と関係あり

現代人は食生活が不規則になり欠食率が増加傾向にありますが、特に多いのが朝食の欠食です。厚生労働省の調べ によると、30 代~40代では男性の4人に1人、女性の5人に1人が朝食抜きとのこと。空腹の時間が長くなると食後 の血糖値が急上昇して「糖化」が起こりやすくなるだけでなく、脂肪がたまりやすくなって活性酸素と結びつき、「酸化」を引き起こします。右のように中途半端な朝食はとったうちに入らないので要注意。

欠食とは
●何も食べない
●栄養ドリンク、錠剤などのみをとる
●菓子、果物、乳製品、
嗜好飲料などのみをとる
厚生労働省 国民健康・栄養調査より

 

酸化
気候、仕事、人間関係…
周りにあふれるストレッサーは「酸化」の引き金

 

ストレッサーとはストレスの要因のこと。私たちを取り巻くストレッサーは、気候など避けられない事柄、身近な 人や環境、心身の状態などさまざま。自覚のないまま無意識のうちにストレスを受けている場合もあります。ストレスによって自律神経のバランスがくずれ、血流に影響すると活性酸素が発生。さらに、ストレスに対抗するため のホルモンが分泌されることでも活性酸素が発生し、「酸化」が起こります。また、意外にもストレスによって血 糖値が上がって「糖化」もおこりやすい状態になります。

 

糖化 酸化
運動不足と睡眠不足は「糖化・酸化」と背中合わせ

世の中が便利になるほど私たちは運動不足になりがちです。運動をしないと食事でとった糖質がエネルギーとして消費されず体内に余るため「糖化」が進行。また、中性脂肪がたまることで「酸化」が起こりやすくなります。
睡眠不足は体が受けたダメージや疲労をリセットして十分に癒すことができず、取り除くはずの活性酸素をためて しまうことに。さらに糖代謝が悪くなり、「糖化」リスクも高まります。スマホやPCのモニターが発するブルーラ イトでも活性酸素が発生し「酸化」の原因に。

 

歩かなくなっている私たち。目標歩数にはだいぶ足りない!

1日の平均歩数を見ると、運動量は10 年前より減少傾向。健康のために厚生労働省の推奨する1日の目標歩数をク リアするにはかなり意識して積極的に歩くことが必要です。

 

「抗酸化」「抗糖化」を目指して
私たちに毎日できることがある!

「酸化」を引き起こす活性酸素や「糖化」の引き金となる糖質の増加が私たちの日常から生まれるように、「抗酸化」「抗糖化」を実現するヒントも生活の中にあります。
普段から運動習慣を身につけ、バランスのよい食生活を心がけて、上手にストレスを解消していきましょう。

 

糖質を体内に余らせないための運動習慣

運動はさまざまな健康効果をもたらしますが、食事でとった糖質をエネルギーとして十分に消費して余らせないためにも欠かせません。食後は血糖値が上がるので、少し休憩したら、できるだけ歩いたり体を使うことを意識する 習慣を。それが余分な糖質を減らし、「糖化」を食い止めるのに役立ちます。
また、ウォーキングなど適度な運動を継続すると「抗酸化力」がアップするというデータがあります。運動をする ことで従来より酸素を多く消費し、それに応じて活性酸素が発生します。ところが運動を続けると活性酸素の刺激 で抗酸化酵素が増え、その「抗酸化力」で「酸化」を防ぐのです。また、運動はストレス解消にもなるので、この 点でも「酸糖質を体内に余らせないための運動習慣化」予防に貢献します。ただし、運動強度の高い競技スポーツ や過度な筋トレなどをする場合は活性酸素の量が増えすぎてしまうことをお忘れなく。
なお、ウォーキングなど屋外での運動の際は、活性酸素を発生させる紫外線への対策もしっかりと行いましょう。

 

糖質・脂質のとりすぎに注意

食生活の面では三食規則正しく、三大栄養素やビタミン・ミネラルをバランスよくとることが基本。そのうえで糖 質のとりすぎに気をつけましょう。また、脂質のとりすぎは肥満につながり、それが活性酸素を増やして「酸化」 を進めてしまうので、あわせて注意が必要です。

抗酸化と抗糖化の働きをもつ栄養素にも注目

積極的にとりたいのが、ビタミンACE(エース)ともいわれる抗酸化ビタミンや、抗酸化物質として知られるポリ フェノールなど。ポリフェノールには「抗糖化」の働きをあわせもつものがあり、幅広い有用性が注目されていま す。また、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにすることで「抗糖化」につながります。
バランスのよい食事がとれなかったり、注目の栄養素を食事だけでとるのがむずかしい場合は、サプリメントを活 用するのもよいでしょう。

抗酸化ビタミン

活性酸素の働きを抑える作用を持つビタミンで、主にビタミンA、C、Eのこと。ビタミンAとなるβ-カロテンは活 性酸素の生成を抑制、ビタミンCは活性酸素の除去、ビタミンEは体内の脂質の酸化を抑える。
細胞内のミトコンドリアでエネルギーをつくり出すのを助ける重要な補酵素。細胞内の脂質の酸化を防ぐほか、酸 化したビタミンEを元に戻すなど抗酸化に力を発揮。

コエンザイムQ10(CoQ10)
植物に含まれる色素や苦みの成分で強い抗酸化作用を持つ。なかでもぶどうの一種マスカダインはポリフェノール
を豊富に含み、抗糖化の作用もあわせ持つスーパーグレープとして注目されている。

ポリフェノール
植物に含まれる色素や苦みの成分で強い抗酸化作用を持つ。なかでもぶどうの一種マスカダインはポリフェノール を豊富に含み、抗糖化の作用もあわせ持つスーパーグレープとして注目されている。

 

ストレスをためない工夫を

ストレスと無縁の生活を送るのはむずかしく、多かれ少なかれイライラしたり、悩んだり落ち込んだりすることは あるでしょう。そうしたストレスの要因となるストレッサーがわかっている時も、わかっていない時でも、ガマン していては解消できません。ストレスをため込まないために大切なのは、日頃からリラックスを心がけ、自分なり の楽しみや気分転換の方法を見つけること。また、十分な睡眠は、その日にたまった活性酸素を除去し、ストレス の解消にもつながります。

No.240